中1保健/健康な生活と疾病の予防/5 調和のとれた生活
中1保健の全体像|今は「調和のとれた生活」
東京書籍・令和7年度版1年の公開指導計画を例に、学ぶ内容のつながりを示します。全国共通の実施月や単元番号ではありません。
健康な生活と疾病の予防①
- 1健康の成り立ち
疾病の発生要因 - 2運動と健康
- 3食生活と健康
- 4休養・睡眠と健康
- 今ここ調和のとれた生活
中1のもう一つのまとまり|心身の機能の発達と心の健康
- 体の発育と機能の発達
- 生殖に関わる機能の成熟
- 精神機能の発達と自己形成
- 欲求・ストレスへの対処
主な内容のまとまりです。小単元の全一覧ではありません。
この5項目は学びの位置の案内です。リンク先や公開済み記事数を示したものではありません。東京書籍の第5項と、大修館書店の特集資料は名称・配列が異なります。
- 運動・食事・睡眠を別々に学び、最後が標語で終わる。
- 「早く寝るために何を変える?」の具体案が出ない。
- 理想の一日を書かせても、生活に合わず続かない。
三つの絵を矢印でつなぎ、「ここを変えたら、ほかはどうなる?」と考えるまとめの授業です。理想の時刻表を押し付けず、架空の一日から工夫と相談先を見つけます。
以下は公開資料を根拠にした体育.netの授業提案です。筆者がこの通りに実施した記録でも、文科省・出版社の指定授業案でもありません。
教科書のどこで使う?|単元と資料を合わせる
| 出版社の公開資料 | 学習の位置 |
|---|---|
| 東京書籍・令和7年度版 『新編 新しい保健体育』 | 1年・保健編1章「健康な生活と疾病の予防①」 (5)調和のとれた生活 p.22〜23 |
| 大修館書店・令和7年度〜 『最新 中学校保健体育』 | 1年・保健①「健康な生活と病気の予防①」 休養・睡眠の後の「特集資料」p.26〜27(東京書籍の第5項と同一の単元名ではありません) |
出版社の公開構成一覧・指導計画に基づく確認で、教科書本文全頁を閲覧した結果ではありません。採択版と学校の年間計画を優先してください。東京書籍の計画/大修館書店の構成一覧。
年間計画に合わせる、準備の3場面
特定の月に教える指定ではなく、学校の年間計画に合わせた準備例です。
中心の問い|「もっと運動」「早く寝る」を、同じ一日の中でどう両立する?
走る人・食べる人・眠る人を描いて、「全部、同じ人だよ」と伝えます。真ん中に「24時間」。ここへ「帰宅が遅く、夜の予定が詰まっている」という架空の条件を足し、「早く寝るには、どこから変える?」と図を指して聞きます。
一日の時間を一つ変えたら、ほかの活動はどうなるだろう。本人の工夫と、周囲への相談を組み合わせて、続けられる案を作れるだろうか?
現行解説は、運動・食事・休養・睡眠を、年齢や生活環境等に応じて調和させて継続することを扱います。睡眠だけ、運動だけを単独でよくすれば完成、という意味ではありません。既習の知識を使い、選択の理由と実行する条件を説明する時間にします。
根拠:文科省・現行解説(冊子p.210〜211)。発問・架空の事例・図の構成は体育.netの提案です。
走る人・食べる人・眠る人を描き、「全部、同じ人の一日だよ」と矢印でつなぎます。一つを変えると、ほかの時間や体調にも関わることを考える図です。
- 走る人・食べる人・ベッドを描き、矢印でつなぐ。
- 真ん中に「24時間」。「運動を増やすなら、どこの時間が動く?」
- 提案が出た場所を丸で囲み、関係する絵へ矢印を足す。「ほかの時間は? だれの支えがいる?」
足すだけでなく、順序・配分・周囲の支えを見直します。
体育.net作成の板書例。矢印は生活のつながりを示し、必ずこの順番で過ごす指定ではありません。睡眠時間等の必要量は教科書と公式資料で確認します。
同じ図に印を付けて、変える場所と影響を確かめる
「早く寝る」という答えが出たら、ベッドの絵に丸を付けます。「では、寝る前の何を変える?」と戻し、準備・宿題などを短く書き足します。相談が必要な案には人の絵をもう一人。文字だけの目標を、行動と支えが見える図へ変えます。
帰宅が遅い日がある。夕食・入浴・宿題のあとに動画を見て、寝る時刻も遅くなる。「早く寝る」と目標を書いたが、何を変えるかは決まっていない。
| 考える順番 | 書くことの例 |
|---|---|
| ① 困り事を捉える | 帰宅後に活動が集中している。自分で変えられない予定もある。 |
| ② 一つ変えてみる | 翌日の準備や宿題の順序、余暇の使い方を見直す。 |
| ③ ほかへの影響を見る | 食事・休養を削っていないか。無理な移動や詰込みにならないか。 |
| ④ 支えを考える | 学校や家庭に、どの時間・負担を相談できるか。 |
「動画を見るから全部悪い」と単純化せず、余暇や気分転換もある生活として考えます。二つの案を比べて、「どちらがよいか」だけでなく、「どの条件なら続けやすいか」を話し合います。
自分の生活で考えたい生徒は個人で振り返り、公開したくない生徒は最後まで架空の事例で構いません。家庭の時刻表を全員分回収して、クラスで並べる必要はありません。
生活を見渡す用紙|24時間の配分を、ここから考える
円グラフは生活全体を見渡す補助資料です。睡眠の授業ですでに同じ用紙を書いていれば、再度書き直すより、そこへ「変えたい点」「ほかへの影響」「相談」を加える使い方ができます。用紙は睡眠啓発の資料ですが、ここでは既習内容をつなぐ授業に位置付けます。

画像を押すと拡大できます。印刷・配付は元の公式PDFを確認してください。
生活習慣をつないで見る|山口市の中高生向け参考動画
山口市公式掲載「早寝早起き朝ごはん(小学校高学年〜中高生向け)」です。睡眠記事にも掲載している同じ動画なので、既に見た学級では再視聴を必須にしません。「食事と睡眠を別々に考えない」ための補助として、教師が必要な区間を選びます。単元全体を網羅した動画ではありません。
公式の掲載元を確認する。標準プレーヤーで、自動再生や音源・映像の再アップロードはしません。事前に教師が内容と使用区間を確認し、再生できない場合は教科書・紙面・図解で進められるようにします。
50分授業の提案|問いから、理由のある選択へ
時間配分は一例です。動画の全編視聴を前提にせず、必要な部分だけを選び、考えを比べる時間を残します。
| 時間 | 生徒の活動 | 教師が見ること |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 動く・食べる・眠る人の絵で、既習内容を振り返る。 | 三つの役割を教科書へ戻す。 |
| 5〜15分 | 架空のAさんの困る場所に、板書の図で印を付ける。 | 本人の責任だけにしない。 |
| 15〜25分 | 生活配分の用紙でつながりを見る。 | 既に記録済みなら同じ紙を使う。 |
| 25〜35分 | 変える場所から矢印を足し、二案の影響を比べる。 | 足すだけ・削るだけを問い直す。 |
| 35〜45分 | 人の絵で相談先を加え、実行できる案を選ぶ。 | 理由に既習の知識を使う。 |
| 45〜50分 | 選んだ工夫・根拠・支えをまとめる。 | 生活の良し悪しではなく説明を見取る。 |
体育.netの授業提案で、公式資料の展開例をそのまま転載した時間割ではありません。文科省の令和2年手引では、健康の成り立ち・生活習慣を4時間の例として掲載しています。上の出版社例の5項目と同じ区切りではありません。
振り返りは、三つの短い問いで
□ 運動・食事・休養・睡眠の関係を説明できる?
□ 一つ変えたときの、ほかへの影響を考えた?
□ 工夫の理由と、必要な支え・相談を言葉にできる?
ノートには「選んだ工夫/根拠/必要な条件」を一つずつ残します。教師は、生活の良し悪しではなく、学んだ知識を使って理由を説明したかを見取ります。これは授業中の見取りの提案で、3項目だけで評定を決めるものではありません。
指導上の配慮|生活や家庭を採点しない
家庭の用事、通学、経済的な事情などを本人の努力だけで解決させないようにします。長い睡眠や多い運動を競う授業でもありません。不調が続く場合は、生活計画の提出だけで済ませず、養護教諭・保護者等と連携します。個別の健康情報や家庭事情を、全体での評価・比較に使わないでください。
この記事は授業準備の案内です。疾病の診断、個別の運動・栄養・治療の指示を行うものではありません。
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参考資料
- 文部科学省・中学校学習指導要領解説 保健体育編:令和6年12月一部改訂、保健分野の学習内容。
- 文部科学省・改訂「生きる力」を育む中学校保健教育の手引:令和2年3月、冊子p.22〜27の展開例・評価の視点。
- 東京書籍・令和7年度版1年指導計画/大修館書店・教科書の構成と内容:学年・単元の位置を確認。
- 文科省・中高生向け睡眠教材の掲載ページ:資料の種類と改定年を確認。
- 山口市・参考動画の掲載ページ:対象別の動画から教師が選ぶ。
資料確認:2026年11月2日。公式紙面・動画と、体育.net独自の図解・授業提案を区別しています。採択教科書、学校の年間計画、個別の健康状態に合わせて調整してください。
