中1保健/健康な生活と疾病の予防/2 運動と健康
中1保健の全体像|今は「運動と健康」
東京書籍・令和7年度版1年の公開指導計画を例に、学ぶ内容のつながりを示します。全国共通の実施月や単元番号ではありません。
健康な生活と疾病の予防①
- 1健康の成り立ち
疾病の発生要因 - 今ここ運動と健康
- 3食生活と健康
- 4休養・睡眠と健康
- 5調和のとれた生活
中1のもう一つのまとまり|心身の機能の発達と心の健康
- 体の発育と機能の発達
- 生殖に関わる機能の成熟
- 精神機能の発達と自己形成
- 欲求・ストレスへの対処
主な内容のまとまりです。小単元の全一覧ではありません。
この5項目は学びの位置の案内です。リンク先や公開済み記事数を示したものではありません。出版社の単元名・ページを一緒にせず、別々に確認してください。
- 「運動は体によい」で終わり、理由が説明できない。
- 運動部の生徒と、運動が苦手な生徒で話がかみ合わない。
- 「もっと運動しよう」以外の、具体的な工夫を考えさせたい。
スポーツだけでなく、通学や手伝いにも体を動かす場面があります。身近な絵から発言を集め、教科書で体と心への働きを確かめて、自分に合う続け方へつなげます。
以下は公開資料を根拠にした体育.netの授業提案です。筆者がこの通りに実施した記録でも、文科省・出版社の指定授業案でもありません。
教科書のどこで使う?|単元と資料を合わせる
| 出版社の公開資料 | 学習の位置 |
|---|---|
| 東京書籍・令和7年度版 『新編 新しい保健体育』 | 1年・保健編1章「健康な生活と疾病の予防①」 (2)運動と健康 p.16〜17 |
| 大修館書店・令和7年度〜 『最新 中学校保健体育』 | 1年・保健①「健康な生活と病気の予防①」 2「運動と健康」p.20〜21 |
出版社の公開構成一覧・指導計画に基づく確認で、教科書本文全頁を閲覧した結果ではありません。採択版と学校の年間計画を優先してください。東京書籍の計画/大修館書店の構成一覧。
年間計画に合わせる、準備の3場面
特定の月に教える指定ではなく、学校の年間計画に合わせた準備例です。
中心の問い|体を動かす機会を、自分の生活のどこにつくれる?
まず黒板に走る棒人間を描き、「この人、何をしている?」。次にかばんを持つ人、ほうきを持つ人を足し、「今日、この動きをしたのはいつ?」と聞きます。体育や部活以外の場面も、絵のそばに短く書き足します。
運動部に入っていなくても、健康につながる身体活動は増やせるだろうか。反対に、部活を頑張る人に必要な工夫は何だろう?
現行解説では、運動による身体の機能への刺激と発達、気分転換などの精神面、年齢や生活環境に応じて継続することを扱います。厚労省のこども版資料は、身体活動を運動だけでなく生活活動も含むものとし、活動が少ない場合の小さな一歩や、使いすぎへの注意も示しています。
根拠:文科省・現行解説(冊子p.210〜211)。発問・架空の事例・図の構成は体育.netの提案です。
最初から「運動/生活活動」と文字で分けず、「今日、この動きをしたのはいつ?」と絵を指して聞きます。ほかの場面も出してから、教科書の言葉で整理します。
- 走る人を描き、「何をしている?」。出た言葉を絵のそばに書く。
- かばん・ほうきを持つ人を足す。「これは? ほかにもある?」
- 絵を括弧でまとめて「身体活動」。教科書で運動と生活活動の違いを確かめる。
活動が少ない人はできそうな場面を探し、多い人も無理や疲れを見直します。
体育.net作成の板書例。運動の種類・時間・強さを一律に指定する図ではありません。体調や障害、通学環境等に合わせ、可能な動きや支援を考えます。
同じ板書に戻り、「もっと頑張る」以外の案も考える
図の横にA・Bの棒人間を一人ずつ描きます。Aのそばには椅子、Bには疲れを表す短い線を添えるだけ。方法を先に書かず、「この人なら、何を変える?」と聞き、提案を矢印で足します。
Aさん|座って過ごす時間が長い
帰宅後は宿題と動画。急に毎日長距離走を始めるより、安全な場所で短い活動を入れる案などを比べる。
問い:いつ・どこでなら続けられる?
Bさん|部活のあとも疲れが残る
活動をさらに足すことだけを正解にせず、活動量・休養・睡眠や指導者への相談を考える。
問い:増やす前に何を確かめる?
いずれも体育.netの架空の授業事例です。運動部・文化部と健康状態を結び付けた実測結果ではありません。
教科書で体と心への働きを確かめたら、「どの働きを期待し、どの条件なら実行できそうか」を一文にします。単に「散歩する」ではなく、「安全な場所と時間を家族と相談し、無理のない活動から試す」のように、条件を加えると提案が具体的になります。
厚労省「こども版」の実物を見て、読み違いを防ぐ
「少しでも動く」「座りっぱなしを減らす」「使いすぎに注意する」を、先に確かめます。紙面の60分はWHOの推奨を参考として掲載したもので、60分の部活を追加させる意味でも、全員を同じ運動量で採点する基準でもありません。原PDF2ページ目の説明も教師が読み、体調や発育段階に応じた扱いにします。

画像を押すと拡大できます。印刷・配付は元の公式PDFを確認してください。
体育の授業へつなぐ|体ほぐしで心と体の状態に気付く
スポーツ庁の中学校向け教師用動画「体ほぐしの運動の授業における工夫(気付き)」です。保健の知識を説明する動画ではなく、実際に体を動かした際の気付きへつなぐ参考です。コロナ禍の資料なので、当時の感染対策は現行の学校方針と区別します。
公式の掲載元を確認する。標準プレーヤーで、自動再生や音源・映像の再アップロードはしません。事前に教師が内容と使用区間を確認し、再生できない場合は教科書・紙面・図解で進められるようにします。
50分授業の提案|問いから、理由のある選択へ
時間配分は一例です。動画の全編視聴を前提にせず、必要な部分だけを選び、考えを比べる時間を残します。
| 時間 | 生徒の活動 | 教師が見ること |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 走る・歩く・掃除する絵から、体を動かす場面を出す。 | 発言を絵のそばへ。部活だけで挙手を分けない。 |
| 5〜15分 | 教科書で体と心への働きを確かめる。 | 「よい」の中身を言葉にする。 |
| 15〜25分 | 板書の絵を括弧でまとめ、運動と生活活動で整理する。 | 活動の種類と、量・強さの違いを分ける。 |
| 25〜35分 | A・Bの棒人間に、必要な工夫を矢印で足す。 | 多ければ多いほどよいとしない。 |
| 35〜45分 | 安全・体調・続けられる条件を加える。 | 選んだ方法の理由を聞く。 |
| 45〜50分 | 知識と工夫を短文でまとめる。 | 実施量ではなく説明を見取る。 |
体育.netの授業提案で、公式資料の展開例をそのまま転載した時間割ではありません。文科省の令和2年手引では、健康の成り立ち・生活習慣を4時間の例として掲載しています。上の出版社例の5項目と同じ区切りではありません。
振り返りは、三つの短い問いで
□ 運動の体・心への働きを、教科書の言葉で説明できる?
□ 運動以外の生活活動も含めて考えられた?
□ 安全・体調・継続の条件を、提案に入れた?
ノートには「選んだ工夫/根拠/必要な条件」を一つずつ残します。教師は、生活の良し悪しではなく、学んだ知識を使って理由を説明したかを見取ります。これは授業中の見取りの提案で、3項目だけで評定を決めるものではありません。
指導上の配慮|生活や家庭を採点しない
体力テストの順位や活動量を保健の成績にしません。障害、病気、けが、通学条件などに応じ、できる活動や参加方法は異なります。急に強い運動を課したり、痛みを我慢して続けさせたりしないこと。個別の制限がある場合は学校の健康管理方針や医療者の指示に従い、活動しない選択も用意します。
この記事は授業準備の案内です。疾病の診断、個別の運動・栄養・治療の指示を行うものではありません。
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参考資料
- 文部科学省・中学校学習指導要領解説 保健体育編:令和6年12月一部改訂、保健分野の学習内容。
- 文部科学省・改訂「生きる力」を育む中学校保健教育の手引:令和2年3月、冊子p.22〜27の展開例・評価の視点。
- 東京書籍・令和7年度版1年指導計画/大修館書店・教科書の構成と内容:学年・単元の位置を確認。
- 厚労省・身体活動資料の掲載ページ:こども版・安全資料を対象別に選ぶ。
- 中学校の体つくり運動|活動と公式動画:保健の理解を体育の活動へつなぐ。
資料確認:2026年11月2日。公式紙面・動画と、体育.net独自の図解・授業提案を区別しています。採択教科書、学校の年間計画、個別の健康状態に合わせて調整してください。
