中2/保健/健康な生活と疾病の予防②/8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処
- 断るセリフの発表だけで終わる。
- ロールプレイで誘う役を強く演じさせてしまう。
誘いの矢印の前に、三つの出口。「断る・離れる・相談」を、場面に合わせて選びます。
棒人間や身近な物を描き、絵を指して問い、教科書の言葉で確かめる授業案です。板書は完成図を写すだけでなく、生徒の考えを描き足して使います。
筆者の実践を記した部分と、資料に基づく授業提案を分けて紹介します。台詞・架空条件・時間配分は再構成した例で、文科省・出版社の指定授業案ではありません。
筆者の実践を生かした授業提案
知っているだけでなく、一度「断る」を試しておく
喫煙などの害を知った後に、実際に誘われたらどう断るかまで考える。筆者が大切にしていた、自分の生活へ戻す仕上げです。以下の短い練習の台詞・役割は今回の提案です。
理由を全部説明できなくてもいい。短く断る言葉と、その場から離れる方法を一つ持っておこう。
生徒が動く場面へ
教師が短い誘いを一度読み、希望する生徒が返答。断られたら誘いは終わり。ペアで「断る・離れる・相談」のカードを選び、話す役・書く役・観察役を選べるようにします。
知識へ戻す:「いやです」だけで難しい場面には、離れる・助けを求める手もあると確認する。
先生自身の話を入れるなら・配慮
面白さを、強く誘う演技や笑いの勝負でつくりません。断れない人を責めず、力関係がある場面も大人の支援と組み合わせます。
中2保健の全体像|今は「喫煙・飲酒・薬物乱用への対処」
東京書籍・令和7年度版2年の公開指導計画を例にした位置の案内です。全国共通の順序・実施月ではなく、出版社や学校で区切りが異なります。体育理論はこの一覧に含めていません。
健康な生活と疾病の予防②|8つの項目
- 1 生活習慣病の起こり方
- 2 生活習慣病の予防
- 3 がんとその予防
- 4 喫煙の害と健康
- 5 飲酒の害と健康
- 6 薬物乱用の害と健康
- 7 薬物乱用の社会的な影響
- 8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処〈今ここ〉
もう一つのまとまり|傷害の防止
- 1 傷害の発生要因
- 2 交通事故の発生要因
- 3 交通事故の危険予測と回避
- 4 犯罪被害の防止
- 5 自然災害による危険
- 6 自然災害による傷害の防止
- 7 応急手当の意義と方法
- 8 心肺蘇生法とAED
教科書のどこで使う?
| 出版社・令和7年度版〜 | 公開計画・構成表での関連位置 |
|---|---|
| 東京書籍 新編 新しい保健体育 | 2年・保健編4章(8)p.104〜105 |
| 大修館書店 最新 中学校保健体育 | 2年・保健③(8)喫煙・飲酒・薬物乱用のきっかけと対処 p.94〜95 |
東京書籍|令和7年度版・2年の年間指導計画/大修館書店|令和7年度〜・教科書の構成と内容で確認。教科書本文の全頁を閲覧したものではありません。名称・順序・配当時間は採択版と学校の年間計画を優先してください。
中心の問い|断る言葉が出ないとき、それでも安全を守るために選べる行動は何だろう。
人の前に誘いの吹き出しを描きます。周囲へ三本の出口を置き、「言葉」「場所を変える」「助けを求める」のどこからでもよいと示します。
好奇心やストレス、断りにくい関係、広告や入手しやすい環境など、行動に影響する条件があります。本人の意志だけの問題にせず、環境と支援を含めて考えます。
対処は長い説得や相手を論破することではありません。短く断る、安全な場所へ離れる、信頼できる大人に相談するなど、実行できる選択を複数用意します。
内容の範囲:現行解説・冊子p.211〜212。発問・架空の条件・板書構成は体育.netの提案です。
- 人と、誘いを表す吹き出しを描く。
- 手のひら・出口・相談する二人の絵へ三本の矢印を分ける。
- 「どれが使えそう?」と問い、言いにくいときの代替行動を足す。
体育.net作成の板書例。人・物・矢印を簡略化した概念図で、医学的な構造図や実際の地図、処置の手順図ではありません。描くことが難しい場合は、印刷して指し示す方法でも使えます。
使う紙面が分かる|公式資料のプレビュー

正しい使い方と、困ったときの相談の入口を確認します。紙面の相談先は教師が授業前に現行情報を確認してください。
参考動画|厚労省|薬のオーバードーズって何だろう(中高生向け)
誘いの断り方全般の実演動画ではありません。市販薬で困ったときの相談を考える補助とし、喫煙・飲酒の対処は教科書の場面で確かめます。
公式の掲載元は末尾の参考資料に記載。教師が事前に内容と使う場面を確かめ、必要な場面で止めて問い直します。全編再生確認や将来の再生を保証するものではありません。再生できない場合も、教科書と図解で進められます。
「知っている」を、条件に合わせて使う
架空の先輩から「みんなやっている」と勧められ、その場で返事を求められた。
正しい説明を全部して相手を納得させようとする。
追加で分かったこと
相手と力関係がある場合、長いやり取りを続けることが安全とは限らない。
「しません」と短く伝える、安全にその場を離れる、信頼できる大人へ相談するなどを選ぶ。
理由を一言で
知識の説明力と、安全を守る対処を区別している。
正解の言葉を当てるだけで終わらせず、図の一か所を指して理由を説明できるようにします。話しにくい場合は、矢印や短い文をノートへ足す方法で構いません。
そのまま組み替えられる50分の授業例
| 時間 | 活動 | 教師の働き掛け・見取ること |
|---|---|---|
| 5分 | 実感のある問いから入る | 理由を全部説明できなくてもいい。短く断る言葉と、その場から離れる方法を一つ持っておこう。 |
| 8分 | 教科書の言葉で確かめる | 最初の問いを、教科書のどの知識で考えられるかを確かめる。 |
| 10分 | 資料で見方を増やす | 事前に選んだ映像の場面・紙面を提示し、気付きを一つ図へ足す。 |
| 15分 | 架空の条件で使ってみる | 教師が短い誘いを一度読み、希望する生徒が返答。断られたら誘いは終わり。ペアで「断る・離れる・相談」のカードを選び、話す役・書く役・観察役を選べるようにします。 |
| 8分 | 理由を伝え、見直す | 「いやです」だけで難しい場面には、離れる・助けを求める手もあると確認する。 |
| 4分 | 振り返り | 断りにくい条件を説明し、複数の対処と支援を場面に合わせて選べる。 |
配当時間や既習内容に合わせて調整します。読む・描く・話すのいずれでも考えを示せるようにし、ノートの絵の上手さや家庭事情で評価しません。
ノートに残すのは、絵・理由・次の一手
□ 絵のどこが、教科書の説明とつながるか。
□ 架空の場面に合う案と、その理由は何か。
□ 自分だけでは難しいとき、どんな支援を使えるか。
この時間で見取りたい姿
断りにくい条件を説明し、複数の対処と支援を場面に合わせて選べる。
最初の答えと、資料を見た後の答えを並べ、何が加わったかを短く書きます。絵の巧さ、発言回数、実生活が理想に近いかを点数化するのではありません。
安心して学べる準備と配慮
実経験を話させたり、断れるまで強く誘い続けたりしません。実在の人物名や連絡先は書かず、個別相談が必要な場合は授業後につなぎます。相談された教員は一人で抱えず学校の支援体制を使います。
授業の前に養護教諭や関係する教職員と配慮・相談経路を確認し、個別の病状や家庭の事情は全体で共有させません。授業参加が難しい生徒には、別の架空事例や観察課題などの選択肢を準備します。
参考資料と確認範囲
資料の掲載・構成・リンクを2026年11月4日に確認。動画は公式掲載元との対応を確認していますが、全編の再生・字幕の照合や、全端末での再生確認を済ませたという意味ではありません。最新の制度・指針・学校の方針は使用前に再確認してください。