中2/保健/健康な生活と疾病の予防②/5 飲酒の害と健康
- 法律で禁止、と言うだけで理由が伝わらない。
- 大人の飲酒量の話にそれてしまう。
体の中へ入る矢印と、その前で選べる行動。二つを分けて描きます。
棒人間や身近な物を描き、絵を指して問い、教科書の言葉で確かめる授業案です。板書は完成図を写すだけでなく、生徒の考えを描き足して使います。
筆者の実践を記した部分と、資料に基づく授業提案を分けて紹介します。台詞・架空条件・時間配分は再構成した例で、文科省・出版社の指定授業案ではありません。
授業提案
「大人がすすめたら?」で、理由を使ってみる
先生が一度だけ、架空の誘い「お祝いだから少しだけ」を読みます。笑って飲む演技にはせず、「こんなときも断っていい?」と生徒に返します。
すすめた相手が大人なら、体への影響や年齢の決まりは変わる?
生徒が動く場面へ
ペアで短い返答を作り、言葉にするか紙に書くかを選ぶ。相手を説得する長い説明より、「飲みません」、離れる、別の大人へ相談する選択を確かめます。
知識へ戻す:健康への影響を知ることを、断りにくい場面の選択へつなぐ。
先生自身の話を入れるなら・配慮
家庭での飲酒の話を集める必要はありません。誘い役は一度だけで、断られたらすぐ終える約束にします。
中2保健の全体像|今は「飲酒の害と健康」
東京書籍・令和7年度版2年の公開指導計画を例にした位置の案内です。全国共通の順序・実施月ではなく、出版社や学校で区切りが異なります。体育理論はこの一覧に含めていません。
健康な生活と疾病の予防②|8つの項目
- 1 生活習慣病の起こり方
- 2 生活習慣病の予防
- 3 がんとその予防
- 4 喫煙の害と健康
- 5 飲酒の害と健康〈今ここ〉
- 6 薬物乱用の害と健康
- 7 薬物乱用の社会的な影響
- 8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処
もう一つのまとまり|傷害の防止
- 1 傷害の発生要因
- 2 交通事故の発生要因
- 3 交通事故の危険予測と回避
- 4 犯罪被害の防止
- 5 自然災害による危険
- 6 自然災害による傷害の防止
- 7 応急手当の意義と方法
- 8 心肺蘇生法とAED
教科書のどこで使う?
| 出版社・令和7年度版〜 | 公開計画・構成表での関連位置 |
|---|---|
| 東京書籍 新編 新しい保健体育 | 2年・保健編4章(5)p.98〜99 |
| 大修館書店 最新 中学校保健体育 | 2年・保健③(6)飲酒と健康 p.90〜91 |
東京書籍|令和7年度版・2年の年間指導計画/大修館書店|令和7年度〜・教科書の構成と内容で確認。教科書本文の全頁を閲覧したものではありません。名称・順序・配当時間は採択版と学校の年間計画を優先してください。
中心の問い|「少しなら」「大人が勧めたから」なら、中学生が飲んでもよいのだろうか。
棒人間の頭へ「判断・動き」と書き、飲酒からの矢印を示します。さらに、飲む前の場面へ「勧められる」を置き、健康影響と対処を往復します。
アルコールは中枢神経の働きに影響し、判断や運動などの機能を低下させます。急性の健康障害や、継続による影響について、教科書の図で確かめます。
20歳未満の飲酒は認められていません。成人年齢18歳とは別です。大人向けの飲酒量を中学生の「安全量」として示したり、飲める体質かを授業で試したりしません。
内容の範囲:現行解説・冊子p.211〜212。発問・架空の条件・板書構成は体育.netの提案です。
- 人と脳を表す丸を描き、判断・動きを示す。
- 酒から体への矢印を描く。量を試す指示にはしない。
- 矢印の手前に手を挙げる人と相談先を足す。
体育.net作成の板書例。人・物・矢印を簡略化した概念図で、医学的な構造図や実際の地図、処置の手順図ではありません。描くことが難しい場合は、印刷して指し示す方法でも使えます。
授業で確かめる公式資料
原PDFを開き、必要な紙面を選んで提示します。外部資料を本サイト独自の教材として販売・再配布するものではありません。
参考動画|国税庁・名古屋国税局|20歳で乾杯の約束!(2026年)
20歳未満の飲酒防止を呼び掛ける啓発動画です。医学的なしくみの説明は教科書・厚労省資料で補い、「20歳になったら必ず飲む」という意味にはしません。
公式の掲載元は末尾の参考資料に記載。教師が事前に内容と使う場面を確かめ、必要な場面で止めて問い直します。全編再生確認や将来の再生を保証するものではありません。再生できない場合も、教科書と図解で進められます。
「知っている」を、条件に合わせて使う
架空の親戚の集まりで「少しだけなら」と勧められた。
大人がいるので飲んでよいと考える。
追加で分かったこと
勧める人が大人でも、年齢や健康への影響は変わらない。
飲まない意思を短く伝え、安全な場所へ離れ、別の信頼できる大人に相談する。
理由を一言で
知識を、断りにくい実際の場面での対処へつないでいる。
正解の言葉を当てるだけで終わらせず、図の一か所を指して理由を説明できるようにします。話しにくい場合は、矢印や短い文をノートへ足す方法で構いません。
そのまま組み替えられる50分の授業例
| 時間 | 活動 | 教師の働き掛け・見取ること |
|---|---|---|
| 5分 | 実感のある問いから入る | すすめた相手が大人なら、体への影響や年齢の決まりは変わる? |
| 8分 | 教科書の言葉で確かめる | 最初の問いを、教科書のどの知識で考えられるかを確かめる。 |
| 10分 | 資料で見方を増やす | 事前に選んだ映像の場面・紙面を提示し、気付きを一つ図へ足す。 |
| 15分 | 架空の条件で使ってみる | ペアで短い返答を作り、言葉にするか紙に書くかを選ぶ。相手を説得する長い説明より、「飲みません」、離れる、別の大人へ相談する選択を確かめます。 |
| 8分 | 理由を伝え、見直す | 健康への影響を知ることを、断りにくい場面の選択へつなぐ。 |
| 4分 | 振り返り | 20歳未満の飲酒を避ける理由を、健康面から説明し、対処の選択肢を挙げられる。 |
配当時間や既習内容に合わせて調整します。読む・描く・話すのいずれでも考えを示せるようにし、ノートの絵の上手さや家庭事情で評価しません。
ノートに残すのは、絵・理由・次の一手
□ 絵のどこが、教科書の説明とつながるか。
□ 架空の場面に合う案と、その理由は何か。
□ 自分だけでは難しいとき、どんな支援を使えるか。
この時間で見取りたい姿
20歳未満の飲酒を避ける理由を、健康面から説明し、対処の選択肢を挙げられる。
最初の答えと、資料を見た後の答えを並べ、何が加わったかを短く書きます。絵の巧さ、発言回数、実生活が理想に近いかを点数化するのではありません。
安心して学べる準備と配慮
アルコールの試飲・パッチテスト、家庭の飲酒状況の公開はしません。飲酒問題を抱える人を人格で責めず、困った場合に支援へつなぐ視点を持ちます。
授業の前に養護教諭や関係する教職員と配慮・相談経路を確認し、個別の病状や家庭の事情は全体で共有させません。授業参加が難しい生徒には、別の架空事例や観察課題などの選択肢を準備します。
参考資料と確認範囲
資料の掲載・構成・リンクを2026年11月4日に確認。動画は公式掲載元との対応を確認していますが、全編の再生・字幕の照合や、全端末での再生確認を済ませたという意味ではありません。最新の制度・指針・学校の方針は使用前に再確認してください。