中2/保健/健康な生活と疾病の予防②/7 薬物乱用の社会的な影響
- 「犯罪になる」で終わり、生活への影響が見えない。
- 困っている人を孤立させる表現になってしまう。
本人の周囲へ家族・学校・社会を描く。そして支援につながる矢印も必ず残します。
棒人間や身近な物を描き、絵を指して問い、教科書の言葉で確かめる授業案です。板書は完成図を写すだけでなく、生徒の考えを描き足して使います。
筆者の実践を記した部分と、資料に基づく授業提案を分けて紹介します。台詞・架空条件・時間配分は再構成した例で、文科省・出版社の指定授業案ではありません。
授業提案
友達に「誰にも言わないで」と頼まれたら
架空の相談カードを出し、先生は「秘密を守るのが友達。でも、健康や命が心配なときは?」と問い掛けます。生徒本人の友人関係は聞きません。
一緒に大人へ相談するのは、裏切ること? それとも助けにつなぐこと?
生徒が動く場面へ
相談を受ける返答を一つと、その後につなぐ大人を一つ書く。診断や見張りを生徒に任せず、責めずに専門的な支援へつなぐ言葉を考えます。
知識へ戻す:社会的な影響を知ったうえで、孤立ではなく支援へ戻る矢印を描く。
先生自身の話を入れるなら・配慮
「一度でも使った人は終わり」とは語りません。実在の生徒や家族の事情を教材にせず、緊急時は学校の対応手順で大人が動きます。
中2保健の全体像|今は「薬物乱用の社会的な影響」
東京書籍・令和7年度版2年の公開指導計画を例にした位置の案内です。全国共通の順序・実施月ではなく、出版社や学校で区切りが異なります。体育理論はこの一覧に含めていません。
健康な生活と疾病の予防②|8つの項目
- 1 生活習慣病の起こり方
- 2 生活習慣病の予防
- 3 がんとその予防
- 4 喫煙の害と健康
- 5 飲酒の害と健康
- 6 薬物乱用の害と健康
- 7 薬物乱用の社会的な影響〈今ここ〉
- 8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処
もう一つのまとまり|傷害の防止
- 1 傷害の発生要因
- 2 交通事故の発生要因
- 3 交通事故の危険予測と回避
- 4 犯罪被害の防止
- 5 自然災害による危険
- 6 自然災害による傷害の防止
- 7 応急手当の意義と方法
- 8 心肺蘇生法とAED
教科書のどこで使う?
| 出版社・令和7年度版〜 | 公開計画・構成表での関連位置 |
|---|---|
| 東京書籍 新編 新しい保健体育 | 2年・保健編4章(7)p.102〜103 |
| 大修館書店 最新 中学校保健体育 | 2年・保健③(7)薬物乱用と健康 p.92〜93 の社会的影響に関連(独立した第8項ではありません) |
東京書籍|令和7年度版・2年の年間指導計画/大修館書店|令和7年度〜・教科書の構成と内容で確認。教科書本文の全頁を閲覧したものではありません。名称・順序・配当時間は採択版と学校の年間計画を優先してください。
中心の問い|薬物の問題は、本人の体だけの問題と言えるだろうか。周囲はどう関われるだろう。
真ん中の人から家・学校・地域へ輪を広げます。「困ること」を考えた後、「助けにつなぐ人は?」と別の色で矢印を戻します。
薬物乱用は本人の健康だけでなく、家庭や学校での生活、周囲との関係、地域社会にも影響し得ます。全員が同じ経過をたどる、必ず犯罪を起こす、と決め付けません。
予防と同時に、困っている本人や家族が支援を受けることも重要です。周囲の友達だけで秘密を抱え込まず、信頼できる大人や専門機関につなぐ視点を学びます。
内容の範囲:現行解説・冊子p.211〜212。発問・架空の条件・板書構成は体育.netの提案です。
- 真ん中に人、外側に家・学校・地域を描く。
- 生活上の影響を外向きの矢印へ書く。
- 教員や専門家を描き、支援の矢印を内向きに足す。
体育.net作成の板書例。人・物・矢印を簡略化した概念図で、医学的な構造図や実際の地図、処置の手順図ではありません。描くことが難しい場合は、印刷して指し示す方法でも使えます。
使う紙面が分かる|公式資料のプレビュー

正しい使い方と、困ったときの相談の入口を確認します。紙面の相談先は教師が授業前に現行情報を確認してください。
参考動画|厚労省|薬のオーバードーズって何だろう(中高生向け)
相談や周囲の支えを考える補助資料です。社会的影響全体を説明する映像ではないため、教科書で範囲を確認し「誰につなぐ?」を振り返ります。
公式の掲載元は末尾の参考資料に記載。教師が事前に内容と使う場面を確かめ、必要な場面で止めて問い直します。全編再生確認や将来の再生を保証するものではありません。再生できない場合も、教科書と図解で進められます。
「知っている」を、条件に合わせて使う
架空の友人が、薬の使い方で困っていると話し「誰にも言わないで」と頼んだ。
友人同士だけで見張り、秘密を抱える。
追加で分かったこと
友人だけでは安全や健康状態を判断できず、必要な支援が遅れる可能性がある。
責めずに聞き、一緒に信頼できる大人へ相談する。緊急性があれば学校の緊急対応につなぐ。
理由を一言で
支えることを、一人で解決することや隠すことと区別している。
正解の言葉を当てるだけで終わらせず、図の一か所を指して理由を説明できるようにします。話しにくい場合は、矢印や短い文をノートへ足す方法で構いません。
そのまま組み替えられる50分の授業例
| 時間 | 活動 | 教師の働き掛け・見取ること |
|---|---|---|
| 5分 | 実感のある問いから入る | 一緒に大人へ相談するのは、裏切ること? それとも助けにつなぐこと? |
| 8分 | 教科書の言葉で確かめる | 最初の問いを、教科書のどの知識で考えられるかを確かめる。 |
| 10分 | 資料で見方を増やす | 事前に選んだ映像の場面・紙面を提示し、気付きを一つ図へ足す。 |
| 15分 | 架空の条件で使ってみる | 相談を受ける返答を一つと、その後につなぐ大人を一つ書く。診断や見張りを生徒に任せず、責めずに専門的な支援へつなぐ言葉を考えます。 |
| 8分 | 理由を伝え、見直す | 社会的な影響を知ったうえで、孤立ではなく支援へ戻る矢印を描く。 |
| 4分 | 振り返り | 個人と社会への影響を述べ、偏見ではなく支援につなぐ行動を提案できる。 |
配当時間や既習内容に合わせて調整します。読む・描く・話すのいずれでも考えを示せるようにし、ノートの絵の上手さや家庭事情で評価しません。
ノートに残すのは、絵・理由・次の一手
□ 絵のどこが、教科書の説明とつながるか。
□ 架空の場面に合う案と、その理由は何か。
□ 自分だけでは難しいとき、どんな支援を使えるか。
この時間で見取りたい姿
個人と社会への影響を述べ、偏見ではなく支援につなぐ行動を提案できる。
最初の答えと、資料を見た後の答えを並べ、何が加わったかを短く書きます。絵の巧さ、発言回数、実生活が理想に近いかを点数化するのではありません。
安心して学べる準備と配慮
依存のある人を「意志が弱い」「回復しない」と決め付けません。生徒に診断や治療を担わせず、実在の友人の話は全体共有しないでください。
授業の前に養護教諭や関係する教職員と配慮・相談経路を確認し、個別の病状や家庭の事情は全体で共有させません。授業参加が難しい生徒には、別の架空事例や観察課題などの選択肢を準備します。
参考資料と確認範囲
資料の掲載・構成・リンクを2026年11月4日に確認。動画は公式掲載元との対応を確認していますが、全編の再生・字幕の照合や、全端末での再生確認を済ませたという意味ではありません。最新の制度・指針・学校の方針は使用前に再確認してください。