中2/保健/傷害の防止/3 交通事故の危険予測と回避
- 危険は見つけられるが、回避行動が「注意する」になる。
- ヘルメットをかぶれば安全だと思ってしまう。
「あそこから人が出るかも」。予測した場所に、止まる・確かめる行動を描き足します。
棒人間や身近な物を描き、絵を指して問い、教科書の言葉で確かめる授業案です。板書は完成図を写すだけでなく、生徒の考えを描き足して使います。
筆者の実践を記した部分と、資料に基づく授業提案を分けて紹介します。台詞・架空条件・時間配分は再構成した例で、文科省・出版社の指定授業案ではありません。
授業提案
映像を止める。「あと3秒で、何が起こりそう?」
公式の交通安全動画を、曲がり角へ入る前で止めます。先の展開を当てるクイズではなく、「まだ分からないことがある今、どう動く?」と聞くのがポイントです。
自分は行けると思う。でも、見えていない所に人がいたら? 今の場所で何を変えられる?
生徒が動く場面へ
生徒は「かもしれない」を一つ書き、その横に具体的な行動を一つ。続きを見た後、予想が外れても、その行動が安全側だったかを話し合います。
知識へ戻す:危険を見つけた数より、予測と回避行動のつながりを振り返る。
先生自身の話を入れるなら・配慮
先生の経験を入れるなら「止まって確認してよかった」など、再現を勧めない話を。映像で事故を当てられたかを成績にはしません。
中2保健の全体像|今は「交通事故の危険予測と回避」
東京書籍・令和7年度版2年の公開指導計画を例にした位置の案内です。全国共通の順序・実施月ではなく、出版社や学校で区切りが異なります。体育理論はこの一覧に含めていません。
傷害の防止|8つの項目
- 1 傷害の発生要因
- 2 交通事故の発生要因
- 3 交通事故の危険予測と回避〈今ここ〉
- 4 犯罪被害の防止
- 5 自然災害による危険
- 6 自然災害による傷害の防止
- 7 応急手当の意義と方法
- 8 心肺蘇生法とAED
もう一つのまとまり|健康な生活と疾病の予防②
- 1 生活習慣病の起こり方
- 2 生活習慣病の予防
- 3 がんとその予防
- 4 喫煙の害と健康
- 5 飲酒の害と健康
- 6 薬物乱用の害と健康
- 7 薬物乱用の社会的な影響
- 8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処
教科書のどこで使う?
| 出版社・令和7年度版〜 | 公開計画・構成表での関連位置 |
|---|---|
| 東京書籍 新編 新しい保健体育 | 2年・保健編3章(3)p.72〜73 |
| 大修館書店 最新 中学校保健体育 | 2年・保健④(3)交通事故によるけがの防止 p.106〜107 |
東京書籍|令和7年度版・2年の年間指導計画/大修館書店|令和7年度〜・教科書の構成と内容で確認。教科書本文の全頁を閲覧したものではありません。名称・順序・配当時間は採択版と学校の年間計画を優先してください。
中心の問い|角の向こうは見えない。ぶつからないために、見える前から何を変えられるだろう。
曲がり角の手前の自転車を描きます。角の向こうは空白のまま「何がいるかもしれない?」と聞き、次に「では、手前でどうする?」と行動へつなげます。
危険予測は事故を言い当てる競争ではなく、不確かな場面で安全側の行動を選ぶ学習です。道路標識・信号・一時停止を守り、周囲の安全を確認します。
回避と被害軽減は役割が異なります。ヘルメットは重要ですが、信号や停止、安全確認の代わりにはなりません。環境上の問題を学校や地域へ知らせる視点も足します。
内容の範囲:現行解説・冊子p.219〜222。発問・架空の条件・板書構成は体育.netの提案です。
- 曲がり角、自転車、死角を点線で描く。
- 角の手前に止まる位置を置く。実際の停止位置は道路の標示や状況で確認する。
- 人の吹き出しに「いるかも」、手元に「止まる・見る」を足す。
体育.net作成の板書例。人・物・矢印を簡略化した概念図で、医学的な構造図や実際の地図、処置の手順図ではありません。描くことが難しい場合は、印刷して指し示す方法でも使えます。
使う紙面が分かる|公式資料のプレビュー

信号・一時停止、安全確認、歩行者優先などを、上の架空場面と結び付けます。制度や罰則は警察庁の現行ページを確認してください。
参考動画|内閣府|交通安全体験動画(子ども編・360度)
最初から全部見せず、教師が事前に選んだ場面で停止。「次はどうなる?」と予測してから先を見ます。予測が外れたことを責めず、安全側に動く理由を確かめます。
公式の掲載元は末尾の参考資料に記載。教師が事前に内容と使う場面を確かめ、必要な場面で止めて問い直します。全編再生確認や将来の再生を保証するものではありません。再生できない場合も、教科書と図解で進められます。
「知っている」を、条件に合わせて使う
横断歩道の手前。横断中の人がいて、後ろには友人の自転車もいる。
前の人を避けて進む。
追加で分かったこと
歩行者が方向を変えるかもしれず、後ろの友人も同じ動きをするとは限らない。
歩行者を優先し、必要に応じて停止。後ろとの間隔にも気を配る。
理由を一言で
自分が通れる幅だけでなく、相手の動きと他の利用者を含めている。
正解の言葉を当てるだけで終わらせず、図の一か所を指して理由を説明できるようにします。話しにくい場合は、矢印や短い文をノートへ足す方法で構いません。
そのまま組み替えられる50分の授業例
| 時間 | 活動 | 教師の働き掛け・見取ること |
|---|---|---|
| 5分 | 実感のある問いから入る | 自分は行けると思う。でも、見えていない所に人がいたら? 今の場所で何を変えられる? |
| 8分 | 教科書の言葉で確かめる | 最初の問いを、教科書のどの知識で考えられるかを確かめる。 |
| 10分 | 資料で見方を増やす | 事前に選んだ映像の場面・紙面を提示し、気付きを一つ図へ足す。 |
| 15分 | 架空の条件で使ってみる | 生徒は「かもしれない」を一つ書き、その横に具体的な行動を一つ。続きを見た後、予想が外れても、その行動が安全側だったかを話し合います。 |
| 8分 | 理由を伝え、見直す | 危険を見つけた数より、予測と回避行動のつながりを振り返る。 |
| 4分 | 振り返り | 予測と回避行動を対にし、ヘルメット等による被害軽減との違いも説明できる。 |
配当時間や既習内容に合わせて調整します。読む・描く・話すのいずれでも考えを示せるようにし、ノートの絵の上手さや家庭事情で評価しません。
ノートに残すのは、絵・理由・次の一手
□ 絵のどこが、教科書の説明とつながるか。
□ 架空の場面に合う案と、その理由は何か。
□ 自分だけでは難しいとき、どんな支援を使えるか。
この時間で見取りたい姿
予測と回避行動を対にし、ヘルメット等による被害軽減との違いも説明できる。
最初の答えと、資料を見た後の答えを並べ、何が加わったかを短く書きます。絵の巧さ、発言回数、実生活が理想に近いかを点数化するのではありません。
安心して学べる準備と配慮
2026年4月から自転車の青切符制度は16歳以上が対象ですが、16歳未満に交通ルールがないわけではありません。罰則は最新の警察庁情報で確認し、授業で公道の危険行動を再現しません。
授業の前に養護教諭や関係する教職員と配慮・相談経路を確認し、個別の病状や家庭の事情は全体で共有させません。授業参加が難しい生徒には、別の架空事例や観察課題などの選択肢を準備します。
参考資料と確認範囲
資料の掲載・構成・リンクを2026年11月4日に確認。動画は公式掲載元との対応を確認していますが、全編の再生・字幕の照合や、全端末での再生確認を済ませたという意味ではありません。最新の制度・指針・学校の方針は使用前に再確認してください。