「体つくりの運動遊びで、何をさせればいい?」
「走るだけ・ボール遊びだけにならず、いろいろな動きを経験させたい」
「運動が苦手な子も、自分に合う動きで参加できる授業にしたい」
低学年の多様な動きをつくる運動遊びでは、速く走れるか、たくさんできるかだけを競うのではなく、体のバランスをとる・移動する・用具を操作するなどの動きを、遊びながら幅広く経験することが大切です。
結論から言うと
最初は「止まる・進む・くぐる・転がす・ねらう」のように、ねらいが一言で分かる活動を5つほど用意します。子どもが自分に合う難しさを選べるようにすると、全員が動きやすくなります。
この記事で分かること
- 小1・2で扱う多様な動きをつくる運動遊びの考え方
- 今日の授業で使える活動5つと45分の流れ
- 安全な場づくり、声かけ、つまずきへの対応
授業でまず見ておきたい公式資料
📚 公式資料をひと目で見る
スポーツ庁|体つくりの運動遊び 低学年資料
低学年で扱う、体のバランスをとる動き・体を移動する動き・用具を操作する動きの例を確認できます。
低学年で扱う、体のバランスをとる動き・体を移動する動き・用具を操作する動きの例を確認できます。
出典:スポーツ庁|小学校体育(運動領域)指導の手引、体つくりの運動遊び 低学年資料(確認日:2026年8月25日)
公式資料は活動の例です。以下は、1時間で扱いやすいように体育.netで再構成した案です。
今日の授業で使える5点セット
📋 1. 活動えらびカード
| 活動 | やり方 | 主に使う動き |
|---|---|---|
| ぴたっとポーズ島 | 床のマーカーやフープに入り、片足・しゃがむ・手足を広げるなど、自分のポーズで3秒止まる。 | 体のバランスをとる |
| どうぶつおさんぽ | コーンの間を、くま・かに・あひるなど好きな動物になって進み、合図で止まる。 | 体を移動する |
| フープの森くぐり | 置いたフープや低いくぐり用の輪を、またぐ・くぐる・横向きで通るなどして進む。 | 体を移動する |
| ころころ的あて | ペアで向かい合うか、床の的を決めて、ボールをまっすぐ転がす。 | 用具を操作する |
| フープおとどけ | フープを転がす・持って運ぶ・決めた場所に置く。速さより、狙った場所まで届けることを目指す。 | 用具を操作する |
💬 子どもへの一言
「できそうな活動を一つ選んでみよう。できたら、動き方や用具を少し変えて、もっと面白くなる方法を探そう。」
「できそうな活動を一つ選んでみよう。できたら、動き方や用具を少し変えて、もっと面白くなる方法を探そう。」
💡 2. 動き発見カード
- 3秒ぴたっと止まれた
- 前・横・後ろのどれかの向きで進めた
- 友達にぶつからない場所を見つけられた
- ボールやフープを、狙った場所へ届けられた
- さっきと違う動き方を一つ試せた
🤝 3. 友達と楽しむカード
- 友達の面白いポーズや進み方を一つまねする
- ペアで転がすときは、相手が受けやすい速さを選ぶ
- 「次は横向きで行こう」のように短く相談する
- できた・できないではなく、工夫したところを伝える
🛟 4. 安全カード
- 動く前に、前・横・後ろに人や用具がないかを見る
- フープを振り回さない。ボールは決めた方向へ転がす
- くぐる・またぐ場所は一方通行にし、待つ場所を決める
- 速さを競争にしない。狭い場所では歩いて移動する
- 苦しい・痛い・不安なときはすぐ先生に伝える
🗒 5. ふり返りカード
- 今日できた動き:____
- 一番面白かった活動:____
- 友達のまねをした動き:____
- 次に変えてみたいこと:____
1時間の流れ(45分の目安)
| 時間 | 活動 | 先生が見ること |
|---|---|---|
| 5分 | 集合・健康観察・用具と約束を確認 | 床、フープ、ボール、動く向きが安全か |
| 5分 | ぴたっとポーズ島・どうぶつおさんぽ | 止まる合図を聞き、周囲を見て動けているか |
| 15分 | フープの森くぐり・ころころ的あてを少人数で行う | 用具を安全に扱い、自分に合う動きを選べているか |
| 10分 | フープおとどけ。気に入った活動をもう一度選ぶ | 動き方や用具の扱いを変える工夫があるか |
| 5分 | 動き発見カードを一言で共有 | できた動き・工夫を言葉にできるか |
| 5分 | 片付け・ふり返り・健康観察 | 友達と安全に片付けられたか |
場づくりの目安
- 5活動すべてを一度に出さず、最初は2〜3活動で十分。
- フープの森とボールを転がす場所は離し、走路と待機場所をコーンで分ける。
- ボールを転がす活動は、壁やマットに向けるか、対面のペアだけが入るレーンにする。
- くぐる・またぐ活動は一方通行にする。反対側から入らない約束を最初に示す。
- 見本は教師だけでなく、子どもの安全な工夫を短く紹介する。
つまずき別の変え方
| 困りごと | 変え方 |
|---|---|
| ポーズがすぐ崩れる | 片足ではなく両足から始める。止まる時間を3秒ではなく「先生が数える間」にする。 |
| 動物歩きが難しい子がいる | 動物を選べるようにし、普通に歩く・低く歩くも認める。 |
| フープで混雑する | フープの数を増やすか、またぐ・くぐるを別の場所にする。待つ子は次の動きを考える係にする。 |
| ボールが強く転がる | 「相手の足元で止まる速さ」を共通の目安にする。距離を短くし、壁やマットを背にする。 |
| 競争になりすぎる | 回数・速さではなく、「違う動きを試せた」「狙った場所へ届いた」を振り返りの中心にする。 |
体育の声かけ例
- 「同じポーズでも、止まりやすい手や足の置き方はあるかな?」
- 「前だけでなく、横や後ろにも進める?」
- 「フープを通る前に、次の人がいないか見てから行こう」
- 「相手が受けやすい転がし方になっているね」
- 「さっきと違う方法を試した人はいる?」
さらに授業づくりを深めたい先生へ
- 運動遊びが子供の脳とからだを鍛える
子どもが熱中する運動遊びの考え方を確かめたい先生向け。 - 子どもが育つ運動遊び【第2版】
低学年の運動遊びを、発達に合わせて組み立てたい先生向け。 - 子どもが喜ぶ!体育授業レシピ
活動の広げ方や、子どもが取り組みやすい場づくりを考えたい先生向け。
クラスに合わせた設計は個別相談で
この記事は、低学年で多様な動きを経験するための共通の土台です。児童数、体育館の広さ、使える用具、学級の雰囲気に合わせた活動数・レーン・組み合わせは、個別相談で扱います。
出典
- スポーツ庁|小学校体育(運動領域)指導の手引
- スポーツ庁|多様な動きをつくる運動遊び(第1学年)
- スポーツ庁|多様な動きをつくる運動遊び(第2学年)
- スポーツ庁|体つくりの運動遊び 低学年資料(PDF)
