「体育の最初に、みんなが入りやすい活動をしたい」
「運動が得意な子だけでなく、全員が自然に動ける時間にしたい」
「ただ遊んで終わりではなく、体育として何を見ればよいか知りたい」
低学年の体ほぐしの運動遊びでは、上手にできたかや勝ったかよりも、体を動かすとどんな感じがするか、友達と動くと何が楽しいかに気付くことが大切です。
結論から言うと
最初は、短くて分かりやすい「まねる・跳ぶ・合わせる」活動を5つほど用意し、子どもが気に入った活動を選べるようにすると進めやすくなります。終わりに「体があたたかくなった」「友達と合うとうれしかった」を一言で振り返りましょう。
この記事で分かること
- 小1・2の体ほぐしの運動遊びで大切にすること
- 今日の授業で使える活動5つと45分の流れ
- 安全な場づくり、声かけ、つまずきへの対応
体ほぐしの運動遊びで大切にすること
- 伸びる・ねじる・跳ぶ・止まるなど、いろいろな動きを気持ちよく行う
- 友達の動きをまねたり、声を掛け合ったりして一緒に楽しむ
- 運動の前後で、息・汗・気持ちの変化に気付く
- きまりと間隔を守り、安全に活動する
授業でまず見ておきたい公式資料
📚 公式資料をひと目で見る
新聞紙・なわ・フープなどを使う遊び、伝承遊び、音楽に合わせる活動を、授業前に確認できます。
出典:スポーツ庁|小学校体育(運動領域)指導の手引、体つくりの運動遊び 低学年資料(確認日:2026年8月24日)
公式資料は活動の例です。以下は、1時間で扱いやすいように体育.netで再構成した案です。
今日の授業で使える5点セット
📋 1. 活動えらびカード
| 活動 | やり方 | ねらい |
|---|---|---|
| 新聞紙ふうせんキャッチ | 2人で新聞紙の端を持ち、中央の風船をふわっと上げたり受け止めたりする。 | 力を合わせる・用具の動きに合わせる |
| からだじゃんけん | 手だけでなく、腕・足・全身でグー・チョキ・パーを表す。 | 体を大きく使う・笑顔で関わる |
| なわへびジャンプ | 床の短なわを小さく動かし、跳び越える。 | リズムよく跳ぶ・相手に合わせる |
| まねっこ動物 | リーダーの動物の動きをまねして、歩く・止まる・向きを変える。 | いろいろな動き・見る力 |
| 音楽グループあつまれ | 音楽に合わせて動き、合図で決めた人数の仲間を見つける。 | 空いている場所を見る・友達と関わる |
「一番楽しい活動を一つ見つけよう。友達とやると、もっと楽しくなる方法も考えてみよう。」
💡 2. 心と体の変化カード
活動の前と後で、どれか一つに気付ければ十分です。
- 息が少し速くなった
- 体があたたかくなった
- 汗が出てきた
- 気持ちがわくわくした
- 友達とできてうれしかった
🤝 3. 友達と楽しむカード
- 「せーの」で一緒に動く
- 相手の目を見て、短く声を掛ける
- 友達の面白い動きを一つまねする
- できた・できないではなく、楽しかった動きを伝える
🛟 4. 安全カード
- 活動の前に、床のすべり・用具・周りの人を確かめる
- 走るときは、前を見て空いている場所へ行く
- 用具は決めた場所から持ち出し、使い終わったら片付ける
- 友達の近くで急に止まったり、押したりしない
- 体調が悪い、苦しいときはすぐ先生に伝える
🗒 5. ふり返りカード
- 今日一番楽しかった活動:____
- 体や気持ちで変わったこと:____
- 友達とできてよかったこと:____
- 次にやってみたい動き:____
1時間の流れ(45分の目安)
| 時間 | 活動 | 先生が見ること |
|---|---|---|
| 5分 | 集合・健康観察・今日の約束を確認 | 服装、床、用具、活動場所を確認できているか |
| 5分 | からだじゃんけん・まねっこ動物 | 周りを見て、止まる・動くができているか |
| 15分 | 新聞紙ふうせん/なわへびジャンプを2〜3人組で行う | 用具を安全に扱い、声を掛け合えているか |
| 10分 | 音楽グループあつまれ。気に入った活動をもう一度選ぶ | 自分に合う活動を選び、友達と関われているか |
| 5分 | 心と体の変化を一言で共有 | 変化や楽しかった理由を言葉にできるか |
| 5分 | 片付け・ふり返り・健康観察 | 友達と安全に片付けられたか |
場づくりの目安
- 1活動を2〜4人で行えるようにし、長い待ち列をつくらない
- 新聞紙ふうせん・なわ・フープの活動場所を分ける
- 音楽に合わせて動く場所は、外周を一方向にするか、十分な間隔を取る
- 待つ子は活動の外側に立つ
- 軽い用具でも、投げる方向と片付け場所を最初に示す
つまずき別の変え方
| 困りごと | 変え方 |
|---|---|
| 友達と組むことに抵抗がある | 最初は一人でできるまねっこ動物から始め、見学・応援も選べるようにする |
| 動きが大きくなりすぎてぶつかる | 活動場所を線やコーンで区切り、動く向きと止まる合図を決める |
| 新聞紙ふうせんが続かない | 風船を大きくする/新聞紙の幅を広くする/最初は教師と一緒に行う |
| 人数集めで焦る子がいる | 合図の人数を2人から始める/先生が仲間探しを支える/走らず歩く約束にする |
| 競争になりすぎる | 回数や速さではなく、「友達とそろった」「体が変わった」を振り返りの中心にする |
体育の声かけ例
- 「さっきより体があたたかくなった人はいる?」
- 「友達と同じタイミングでできたね」
- 「どこを見たらぶつからずに動けた?」
- 「一番気持ちよかった動きを、みんなに教えて」
- 「難しいときは、ゆっくり小さく動いても大丈夫」
さらに授業づくりを深めたい先生へ
- 運動遊びが子供の脳とからだを鍛える
子どもが熱中する運動遊びの考え方を確かめたい先生向け。 - 子どもが育つ運動遊び【第2版】
低学年の運動遊びを、発達に合わせて組み立てたい先生向け。 - 子どもが喜ぶ!体育授業レシピ
活動の広げ方や、子どもが取り組みやすい場づくりを考えたい先生向け。
クラスに合わせた設計は個別相談で
この記事は、体ほぐしの運動遊びを始めるための共通の土台です。実際には、児童数、体育館の広さ、学級の雰囲気、使える用具によって、活動の数や組み合わせは変わります。
- 「友達と組むことが苦手な子も参加しやすい形にしたい」
- 「この人数なら、活動場所をどう分ける?」
- 「体ほぐしから次の単元へ、どうつなげる?」
といったクラス固有の設計は、個別相談で扱います。
