「思いついた動きがすぐに止まってしまう」
「恥ずかしさが先に立ち、思い切り動けない子がいる」
「グループにした途端、だれか一人の動きだけになってしまう」
小5・6の表現運動では、上手な振り付けを覚えることより、題材から感じたことを、仲間と動きにして伝える楽しさを味わうことが大切です。速さ・大きさ・高さ・仲間との関わり方を一つずつ変えると、短い動きでも表現が豊かになります。
最初は、題材を一つ決めて一人で動く → 二人でつなぐ → 4〜6人で「はじめ・なか・おわり」をつくる順に進めます。正解を決めず、「どんな感じに見えた?」と仲間のよさを言葉にする時間を入れると、安心して動きを試せます。
この記事でわかること
- 小5・6の表現で大切にしたい「群の表現」の考え方
- 45分でできる、題材から動きを広げる授業の流れ
- そのまま使える教材5点セットと声かけ
- 接触や移動時の安全を守るための約束
授業でまず見せる公式資料
スポーツ庁の高学年用資料では、リズム・動き・空間・かかわりの4つを工夫し、少人数ではできない可能性を広げる「群の表現」に取り組むことが示されています。下のプレビューは、授業の導入で「動きは変えられる」「仲間と組み合わせられる」と共有するときに使えます。

動きの工夫をつかむ公式動画
出典:スポーツ庁「高学年 表現運動『動きの工夫』」。必要な場面だけ短く見せて、動きの変え方を共有します。
今日のめあて
テーマから感じたことを、仲間とつないで表そう。
「同じ動きをそろえる」だけではなく、速さ・大きさ・高さ・仲間との関わり方を変えて、見た人に伝わる動きを見付けます。
1時間の流れ(45分の目安)
| 時間 | 活動 | 先生が見ること |
|---|---|---|
| 5分 | 健康観察・活動範囲と約束の確認 | 床の状態、周囲との間隔、止まる合図 |
| 6分 | まねっこ・ストップで体をほぐす | 速い/遅い、大きい/小さいを試せるか |
| 8分 | 題材から一人で3つの動きを見付ける | 特徴を捉え、全身で表せるか |
| 10分 | 二人組で動きをつなぐ | くっつく/離れる、同時/順番を使えるか |
| 11分 | 4〜6人で「はじめ・なか・おわり」をつくる | 群の形や移動に変化があるか |
| 3分 | 見せ合い・よさを一言で伝える | 感じたことを具体的に言えるか |
| 2分 | ふり返り・片付け | 次に変えたい動きを書けるか |
題材は一つに絞る
最初に選びやすい題材
- 自然:強い風、波、火山、花が開く
- 生き物:群れで動く魚、ねらう鳥、逃げる小動物
- 生活:朝の教室、運動会、わたしたちの卒業アルバム
選び方:「見ただけで動きが思いつきそうなもの」を一つ選び、説明を長くしません。
動きを広げる4つの問い
速さを変える:「急に止まる」「ゆっくり近づく」「だんだん速くする」
大きさ・高さを変える:「体を小さくする」「遠くまで伸びる」「低いところから立ち上がる」
向き・場所を変える:「斜めに進む」「円をつくる」「一か所に集まる」
仲間との関わりを変える:「同時に動く」「順番に動く」「近づく/離れる」
授業でそのまま使える教材5点セット
1. 安全・約束カード
始める前に全員で確認:
- 友達と腕一本分以上の間隔を取る
- 押す・引く・持ち上げる・飛び乗るはしない
- 笛または「ストップ」でその場で止まる
- 表現の場所を勝手に広げず、決めた範囲で動く
2. テーマ発見カード
テーマ:__________
いちばん印象に残る場面:__________
最初に試す動き(3つ):①____ ②____ ③____
3. 動きの変化カード
同じ動きを一つ選び、二つ変える:
- 速さ:速い/遅い/だんだん変える
- 大きさ:大きい/小さい
- 高さ:高い/低い
- 向き:前/横/斜め/回る
変えた動き:__________
4. 群のつながりカード
グループで一つずつ決める:
- はじめ:だれが、どこから動く?
- なか:全員が同じにする? 順番にする?
- おわり:集まる? 広がる? 止まる?
今日の群の工夫:__________
5. 見せ合い・ふり返りカード
- 伝わった感じ:__________
- 仲間のよさ:「____」の動きが印象に残った
- 次に変えてみたいこと:__________
恥ずかしさ・技能差があるときの変え方
- 動けない子がいるとき:最初は全員で同じ動きをまねし、一人で見せる場面をつくりません。
- アイデアが出ないとき:教師が「風が強くなる」「魚の群れが向きを変える」など、一文だけ投げかけます。
- グループがまとまらないとき:「はじめ・なか・おわり」の担当を決め、一人ひとつの提案を必ず入れます。
- 動きが似てしまうとき:速さか高さのどちらかを必ず変えるルールにします。
安全面で必ず確認すること
- 床の滑り、障害物、活動範囲を始める前に確認します。
- 接触を伴う表現や、持ち上げる・飛び乗る活動は扱いません。
- 走って移動する場面では、グループごとの活動場所と進行方向を決めます。
- 体調や気持ちの面で参加しにくい児童には、見る・言葉で提案する役割も用意します。
教材研究に役立つ本
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題材の選び方、グループでの動きづくり、評価の視点を深めたい先生向け。 - 表現運動・ダンスの授業づくりの書籍をAmazonで探す
声かけや活動例を比較して、自分の学級に合う進め方を検討したい先生向け。
個別相談のご案内
表現運動の題材選び、子どもが安心して動ける導入、学級に合うグループ編成を整理したいときは、個別相談をご利用ください。