中2/保健/傷害の防止/2 交通事故の発生要因
- 交通ルールを答えて終わり、なぜ危険かにつながらない。
- 事故を「運転が下手」「飛び出した」で片付けてしまう。
自転車の人、車、曲がり角。同じ絵に置くと、見えていない範囲が分かります。
棒人間や身近な物を描き、絵を指して問い、教科書の言葉で確かめる授業案です。板書は完成図を写すだけでなく、生徒の考えを描き足して使います。
筆者の実践を記した部分と、資料に基づく授業提案を分けて紹介します。台詞・架空条件・時間配分は再構成した例で、文科省・出版社の指定授業案ではありません。
筆者の実践から
先生も事故に遭った。「気を付けていたら大丈夫」だろうか
私は、自転車で車にはねられた経験を、授業で話したことがあります。身近な先生の経験が、交通事故を遠い話のままにしない入口になります。詳しく再現して怖がらせなくても、そこから「自分なら?」と考える問いへつなげられます。
自分から車が見えていても、運転している人から自分が見えているとは限らないよね。どこが見えていなかったら危ない?
生徒が動く場面へ
その後は筆者の事故の原因当てにせず、下の架空の曲がり角へ戻ります。自転車側・車側で見える範囲を色分けし、建物を置いた後に予想をやり直します。
知識へ戻す:「自分が注意する」に、車両や道路、相手からの見え方を足して説明する。
先生自身の話を入れるなら・配慮
先生方も、話して差し支えない経験があれば短く紹介できます。体験がなければ架空事例で十分。事故の生々しい描写や、生徒の事故経験の発表は必要ありません。
中2保健の全体像|今は「交通事故の発生要因」
東京書籍・令和7年度版2年の公開指導計画を例にした位置の案内です。全国共通の順序・実施月ではなく、出版社や学校で区切りが異なります。体育理論はこの一覧に含めていません。
傷害の防止|8つの項目
- 1 傷害の発生要因
- 2 交通事故の発生要因〈今ここ〉
- 3 交通事故の危険予測と回避
- 4 犯罪被害の防止
- 5 自然災害による危険
- 6 自然災害による傷害の防止
- 7 応急手当の意義と方法
- 8 心肺蘇生法とAED
もう一つのまとまり|健康な生活と疾病の予防②
- 1 生活習慣病の起こり方
- 2 生活習慣病の予防
- 3 がんとその予防
- 4 喫煙の害と健康
- 5 飲酒の害と健康
- 6 薬物乱用の害と健康
- 7 薬物乱用の社会的な影響
- 8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処
教科書のどこで使う?
| 出版社・令和7年度版〜 | 公開計画・構成表での関連位置 |
|---|---|
| 東京書籍 新編 新しい保健体育 | 2年・保健編3章(2)p.70〜71 |
| 大修館書店 最新 中学校保健体育 | 2年・保健④(2)交通事故の実態と原因 p.104〜105 |
東京書籍|令和7年度版・2年の年間指導計画/大修館書店|令和7年度〜・教科書の構成と内容で確認。教科書本文の全頁を閲覧したものではありません。名称・順序・配当時間は採択版と学校の年間計画を優先してください。
中心の問い|自分は車を見ていた。では、車の運転者から自分は見えていただろうか。
自転車の棒人間と車を描き、その間へ建物を一つ置きます。「互いが見える?」。雨や薄暗さを加え、同じ場所でも条件が変わることを確かめます。
事故は人の状態・行動だけでなく、車両の特性、道路の見通し、天候などが関わって起こります。自分から見えたという理由だけで、相手が気付いているとは判断できません。
自転車も歩行者にけがを負わせる側になり得ます。被害を受けないことと、他者に危険を与えないことを同時に考えます。細かな反則金の暗記が中心ではありません。
内容の範囲:現行解説・冊子p.219〜222。発問・架空の条件・板書構成は体育.netの提案です。
- 交差する道と自転車・車を描く。
- 角の建物を足し、見通しの線が遮られる所を点線にする。
- 「急ぐ」「雨」「暗さ」を絵の周囲へ足し、教科書の要因と結ぶ。
体育.net作成の板書例。人・物・矢印を簡略化した概念図で、医学的な構造図や実際の地図、処置の手順図ではありません。描くことが難しい場合は、印刷して指し示す方法でも使えます。
使う紙面が分かる|公式資料のプレビュー

信号・一時停止、安全確認、歩行者優先などを、上の架空場面と結び付けます。制度や罰則は警察庁の現行ページを確認してください。
参考動画|内閣府|交通安全体験動画(子ども編・360度)
子ども側の視点を確認する補助資料。見る方向を変えられる360度動画なので、教師が画面を操作し「何が見えない?」で止めます。再生方式が授業端末に合わなければ、内閣府の目線固定版を選べます。
公式の掲載元は末尾の参考資料に記載。教師が事前に内容と使う場面を確かめ、必要な場面で止めて問い直します。全編再生確認や将来の再生を保証するものではありません。再生できない場合も、教科書と図解で進められます。
「知っている」を、条件に合わせて使う
塾へ向かう自転車。止まった車の横を通ると、その先に交差点がある。
「車が止まっているから進める」と考える。
追加で分かったこと
車の陰には歩行者や別の車両がいるかもしれない。路面も濡れている。
止まっている車だけでなく、その陰と路面を確かめ、安全を確保して進む。
理由を一言で
一つの情報だけで決めず、周囲の要因を組み合わせて予測している。
正解の言葉を当てるだけで終わらせず、図の一か所を指して理由を説明できるようにします。話しにくい場合は、矢印や短い文をノートへ足す方法で構いません。
そのまま組み替えられる50分の授業例
| 時間 | 活動 | 教師の働き掛け・見取ること |
|---|---|---|
| 5分 | 実感のある問いから入る | 自分から車が見えていても、運転している人から自分が見えているとは限らないよね。どこが見えていなかったら危ない? |
| 8分 | 教科書の言葉で確かめる | 最初の問いを、教科書のどの知識で考えられるかを確かめる。 |
| 10分 | 資料で見方を増やす | 事前に選んだ映像の場面・紙面を提示し、気付きを一つ図へ足す。 |
| 15分 | 架空の条件で使ってみる | その後は筆者の事故の原因当てにせず、下の架空の曲がり角へ戻ります。自転車側・車側で見える範囲を色分けし、建物を置いた後に予想をやり直します。 |
| 8分 | 理由を伝え、見直す | 「自分が注意する」に、車両や道路、相手からの見え方を足して説明する。 |
| 4分 | 振り返り | 人的要因と周囲の条件を結び付け、「見えない=いない」ではないと説明できる。 |
配当時間や既習内容に合わせて調整します。読む・描く・話すのいずれでも考えを示せるようにし、ノートの絵の上手さや家庭事情で評価しません。
ノートに残すのは、絵・理由・次の一手
□ 絵のどこが、教科書の説明とつながるか。
□ 架空の場面に合う案と、その理由は何か。
□ 自分だけでは難しいとき、どんな支援を使えるか。
この時間で見取りたい姿
人的要因と周囲の条件を結び付け、「見えない=いない」ではないと説明できる。
最初の答えと、資料を見た後の答えを並べ、何が加わったかを短く書きます。絵の巧さ、発言回数、実生活が理想に近いかを点数化するのではありません。
安心して学べる準備と配慮
生徒の事故経験や自宅の位置は尋ねません。危険な追越しや急制動を公道で試さないでください。統計を使うときは警察庁の調査年・対象を一緒に示します。
授業の前に養護教諭や関係する教職員と配慮・相談経路を確認し、個別の病状や家庭の事情は全体で共有させません。授業参加が難しい生徒には、別の架空事例や観察課題などの選択肢を準備します。
参考資料と確認範囲
資料の掲載・構成・リンクを2026年11月4日に確認。動画は公式掲載元との対応を確認していますが、全編の再生・字幕の照合や、全端末での再生確認を済ませたという意味ではありません。最新の制度・指針・学校の方針は使用前に再確認してください。