教員採用試験対策シリーズの3記事目です。
前の記事までに、受験先の過去問をもとに「これを覚えれば8割を狙える」という知識セットを準備しました。この記事では、STEP5の大量の知識を実際に覚える方法を解説します。
教員採用試験の勉強方法は、次の7ステップでしたね。
STEP1:県の教育委員会のHPを見て、試験内容を確認する
STEP2:必要な教材を準備する
STEP3:過去問を、教科書・実技書・参考書を確認しながら解いてみる
STEP4:「これを覚えれば8割取れる」という知識セットを準備する
STEP5:覚える
STEP6:過去問で問題演習する
STEP7:知識の抜けを補完する
この記事で扱うのは、中央のSTEP5です。
・覚えたはずなのに、少し時間がたつと思い出せない
・毎回、教科書や実技書を最初から開き直すのが大変
こういった悩みに答えます。
本記事の内容
- 1 大量の知識を「見出し」で圧縮する
- 2 8つの領域を4つのまとまりで覚える具体例
- 3 見出しから口頭で復元する方法
- 4 復習を速くする方法
✔️ 記事の信頼性
この記事を書いている僕は、この方法をフル活用し、独学で教員採用試験の筆記試験に3年連続で合格しました。東大理Ⅲの方から学んだ記憶法を、保健体育の専門教養へ応用しています。
1 大量の知識は「見出し」で圧縮する
保健体育の専門教養は、保健の教科書、体育実技書、学習指導要領、競技別の資料など、確認する資料が分かれています。
文章や用語を平らな一覧のまま覚えようとすると、数が増えるほど抜けやすくなります。そこで僕が使っていたのが、アウトライン(見出し)です。
見出しで整理する → 見出しだけを見て話す → 答えられなかった項目だけ元資料へ戻る
最初から本文を丸暗記するのではなく、知識を思い出すための道筋を先に作ります。
2 まずは8つの領域を答えてみてください
早速ですが、簡単なワークです。
中学校の体育分野には、どのような領域がありますか。学習指導要領に記載されているものを、すべて答えてください。
- 体つくり運動
- 器械運動
- 陸上競技
- 水泳
- 球技
- 武道
- ダンス
- 体育理論
答えはこの8つです。知っている内容でも、8つを一度に、しかも抜けなく思い出すのは意外と難しいと思います。
覚えにくい理由
- 数が多い
- 覚える数が明確になっていない
- 他人が作ったリストを、そのまま覚えようとしている
3 8つを4つの見出しに減らして覚える
先ほどの8領域を、僕はまず次の4つにまとめていました。
- クローズド・スキル
- オープン・スキル
- 体つくり運動
- 体育理論
クローズド・スキル
周囲の状況が比較的安定していて、あらかじめ決めた動きを行いやすい技能です。
オープン・スキル
相手、ボール、周囲の状況などが変化し、その変化に合わせて動きを調整する技能です。
8つをいきなり思い出すのではなく、まず4つの見出しを思い出し、その中身を順番に復元します。
1 クローズド・スキル
陸上競技・水泳・器械運動・ダンス
2 オープン・スキル
球技・武道
球技は、ゴール型・ネット型・ベースボール型へ。ゴール型はサッカー・ラグビーなどへ、さらに内容を分けます。
武道は、柔道・剣道・相撲へ分けます。
3 体つくり運動
4 体育理論
中学校では、まず「多様性」「意義と効果・学び方・安全」「文化」という短い見出しで思い出します。
さらに「陸上競技」から短距離走・ハードル走・長距離走・走り幅跳び・走り高跳び、「水泳」からクロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライというように、必要な深さまで項目を細かく分けていきます。
ただし、ここでのクローズド・スキル/オープン・スキルは、中学校の8領域を思い出すために僕が使った記憶上の仮の箱です。各領域や種目全体を、厳密にどちらか一方へ分類する図ではありません。自分が思い出せるなら、自分なりのまとめ方で大丈夫です。
4 何をしているのか
この方法で行っていることは、シンプルに3つです。
- 数を減らす:最初に覚える数を8つから4つへ減らす
- 番号を振る:いくつ答えればよいかを明確にする
- 自分でリストを作る:自分の知識体系にすることで思い出しやすくする
一つのかたまりを覚えたら、その中をまた小さなかたまりに分けます。こうして「大きな見出し → 小さな見出し → 内容」の順にたどれるようにします。
5 リストを作ったら、その場で口頭復元する
アウトラインは、きれいに作って終わりではありません。リストを作ったら、すぐに見出しだけを見て口頭で復元します。
見出し:中学校の体育分野の領域は?
口頭復元:「まず4つです。クローズド・スキル、オープン・スキル、体つくり運動、体育理論。クローズド・スキルの中は4つで、陸上競技、水泳、器械運動、ダンス。オープン・スキルの中は2つで、球技と武道……」
最初に「いくつあるか」を言い、次に大きな見出し、最後に各見出しの中身を説明します。文章を一字一句再現する必要はありません。見出しをきっかけに、自分の言葉で説明できればOKです。
言葉が止まったところが、現在の弱点です。元資料を最初から読み直すのではなく、答えられなかった見出しだけ確認し、もう一度説明します。
6 最初の1週間は、短時間でも毎日復習する
人間は忘れる生き物です。僕はアウトラインを作った直後から、最初の1週間は毎日、見出しから口頭復元していました。
見出しだけを見ればよいので、教科書を最初から読み直すよりも短時間で済みます。覚える速さ以上に、復習が恐ろしく速くなることが、この方法の大きな利点です。
7 白紙復元は、全員が完璧にできなくてもよい
僕自身は最終的に、白紙からかなり細かく書けるところまで進めました。ただし、合格のために全員がすべてを同じ水準まで書き出す必要はありません。
まずは:大きな見出しと項目数を言える
次に:過去問で重要な見出しを、自分の言葉で説明できる
必要な範囲だけ:白紙から細かく再現できる
選択式中心なら、見て判断できる水準で十分な項目もあります。記述式で繰り返し出る分野は説明できるところまで引き上げるなど、過去問を基準に深さを変えてください。
8 この準備作業を、現在はライブラリーで短縮できます
この方法を行うには、最初に必要な知識が漏れなく並んだアウトラインを準備しなければなりません。僕が受験していた当時は、教科書や実技書から見出しを拾い、紙やDynalistへ並べ、復習の仕組みまで自分で作っていました。
現在のライブラリーでは、整理済みの全体地図と分野別アウトラインを最初から使えます。見出しを見て答えられなかったら、その項目から詳細なWeb教材へ進み、さらに根拠となる一次資料・出典まで直接確認できます。
紙のアウトラインや通常のアウトライナーと違い、見出しから学び直す場所までつながっていることが大きな特徴です。必要なら、このアウトラインを土台にして、自分用のDynalistへ組み直しても構いません。
たとえば、過去問を見ながらこう使います
ここでいう「8割取れる知識セット」とは、過去問を基準に「どこを覚えるか・どこを後回しにするか」を決め、必要な関連情報まで確認できた教材のまとまりです。
PDFへ出題履歴と優先度を書き込み、分からない項目だけWeb教材で確認します。下の印は使い方を示す例で、実際の優先度は受験先の過去問に合わせて決めます。
令和6年 出題✓ 重点× 対象外印刷した1枚に「出た・やる・後回し・対象外」を集約します。
詰まった項目だけWebで確認 →
見出しを覚えたら、AIに問題を出してもらうこともできます。
ライブラリーで学ぶ範囲を選び、その範囲のAI復習文をコピーすると、一問ずつ出題してもらえます。まずは自分の言葉で答え、自信がないときは「ヒントをください」「4択にしてください」と難しさを調整できます。
見出しから口頭復元する練習と、AIから予想しない順番で問われる練習を組み合わせると、「順番では覚えているけれど、単独では答えられない」という抜けも見つけやすくなります。
正直、僕が受験していた当時にこの環境があれば、かなり時間を短縮できたと思います。覚える作業そのものは必要ですが、「何を覚えるか」「どこへ戻るか」「どう復習するか」を準備する時間は大きく減らせます。
動画で見たい方へ
今回の方法は、動画でも具体例を使って説明しています。本文を読んでから見ると、アウトラインからどのように口頭復元するのかが、より分かりやすくなります。
動画内で「アウトライナー」と呼んでいるツール名は、正しくはDynalistです。
それでも覚えにくい知識は、方法を変える
アウトラインで場所が分かっても、どうしても言葉が出ない項目はあります。僕は、そのような知識だけを「覚えるノート」へ抜き出し、語呂・意味・イメージなど、思い出すための手掛かりと一緒に管理していました。
何度やっても思い出せない知識は、続きの「覚えるノート」の記事で、別の復習方法へ切り替えます。
教員採用試験シリーズ
1 中高保健体育の教員採用試験に合格する5つの参考書
2 中高保健体育の教員採用試験に合格する過去問の勉強法
3 大量の知識を覚える方法(本記事)