中1保健/健康な生活と疾病の予防/1 健康の成り立ち
中1保健の全体像|今は「健康の成り立ち」
東京書籍・令和7年度版1年の公開指導計画を例に、学ぶ内容のつながりを示します。全国共通の実施月や単元番号ではありません。
健康な生活と疾病の予防①
- 今ここ健康の成り立ち
疾病の発生要因 - 2運動と健康
- 3食生活と健康
- 4休養・睡眠と健康
- 5調和のとれた生活
中1のもう一つのまとまり|心身の機能の発達と心の健康
- 体の発育と機能の発達
- 生殖に関わる機能の成熟
- 精神機能の発達と自己形成
- 欲求・ストレスへの対処
主な内容のまとまりです。小単元の全一覧ではありません。
この5項目は学びの位置の案内です。リンク先や公開済み記事数を示したものではありません。出版社の単元名・ページを一緒にせず、別々に確認してください。
- 「主体と環境」の用語を覚えるだけで終わる。
- 原因を聞くと「気を付けなかったから」で止まる。
- 自分の生活を考えさせたいが、病歴の発表にはしたくない。
その人の健康に関係するものを、周りに絵と矢印で足していきます。「本人」と「本人を取り巻く条件」が見えてから、教科書の「主体と環境」という言葉へ。用語の暗記からではなく、イメージから考える授業です。
棒人間や矢印で見せる考え方は、筆者が授業で使っていたものです。以下の図・発問・50分の流れは、その考え方と公開資料をもとに組み直した授業案で、当時の板書を再現したものではありません。
教科書のどこで使う?|単元と資料を合わせる
| 出版社の公開資料 | 学習の位置 |
|---|---|
| 東京書籍・令和7年度版 『新編 新しい保健体育』 | 1年・保健編1章「健康な生活と疾病の予防①」 (1)健康の成り立ちと疾病の発生要因 p.14〜15 |
| 大修館書店・令和7年度〜 『最新 中学校保健体育』 | 1年・保健①「健康な生活と病気の予防①」 1「健康の成り立ち」p.18〜19 |
出版社の公開構成一覧・指導計画に基づく確認で、教科書本文全頁を閲覧した結果ではありません。採択版と学校の年間計画を優先してください。東京書籍の計画/大修館書店の構成一覧。
年間計画に合わせる、準備の3場面
特定の月に教える指定ではなく、学校の年間計画に合わせた準備例です。
中心の問い|健康を支える要因を分けたら、対策はどう変わる?
まず棒人間を描き、「この人が健康に過ごすには、何が関係しそう?」と聞きます。「睡眠」「食事」「気温」「友達」などが出たら、絵のそばに短く書き足します。実際に病気になった生徒ではなく、黒板に描いた架空の人で考えます。
同じ教室にいた人でも、体調が違う。本人の状態と、取り巻く環境の両方から考えると、どんな要因が見えるだろう?
現行解説では、健康を主体と環境の相互の関わりから捉えます。主体には生活習慣だけでなく、年齢・免疫・遺伝などの要因もあります。「主体=本人が努力で変えられるもの」ではありません。環境には温度などの条件、病原体、人間関係や保健・医療機関なども含まれます。
根拠:文科省・現行解説(冊子p.210〜211)。発問・架空の事例・図の構成は体育.netの提案です。
まずは真ん中に棒人間を一人。「この人の健康に、何が関係している?」と聞きながら、周りに絵と矢印を足します。
絵から考えたあとに、「主体」「環境」という教科書の言葉を付けます。
- 棒人間を一人描く。「この人の体の状態や、毎日の生活は?」
- 周りに温度計・病原体・人・相談先の簡単な絵を足す。「周りには何がある?」
- 矢印でつなぎ、「主体と環境は関わり合う」とまとめる。
周りの4例は全部ではありません。点線は説明用の区切りで、皮膚や体内を表す線ではありません。主体には、体質・年齢など本人が自由に変えられない要因もあります。
例えば感染症も、「人・ウイルス・矢印」で見せる
文字だけで分かりにくいときの補助例です。外にいたウイルスが体に入り、体内の細胞で増える様子を、順に描きます。「本人の外」と「本人の体の状態」の関わりへ戻して考えます。
感染と、症状が現れる発病・発症を区別します。病気のすべてが感染症というわけでもありません。
体育.net作成の模式図。ウイルス・細胞の形、大きさ、数は実物どおりではありません。侵入する場所や経路は病原体によって異なります。感染症の詳しい学習をこの時間に詰め込むのではなく、必要な場合の短い補助にします。広島市衛生研究所:ウイルスの特徴/神奈川県:感染と無症候感染の説明。
カードを分けたら、「本人だけでは変えられない」にも気付く
棒人間と周りの絵が描けたら、「寝不足」「ウイルス」「換気しにくい教室」などのカードを置いていきます。「本人の状態や生活の話? それとも周りの条件?」と理由を聞き、最後に主体・環境と名付けて教科書で確かめます。
| 架空のカード例 | 整理する視点 | 次の問い |
|---|---|---|
| 睡眠が不足している | 主体の生活習慣 | 何が睡眠時間を圧迫している? |
| 病原体が周囲にある | 生物学的な環境 | 「寒さだけがかぜの原因」とは違うね。 |
| 相談できる大人がいる | 社会的な環境 | 相談しやすい仕組みをどうつくる? |
次に、「自分で工夫できること/学校や家庭と一緒に変えること」を別の軸で考えます。これは主体/環境と同じ二分法ではありません。生活習慣にも周囲の支えが必要な場合がある、と押さえます。
文科省の板書計画・ワークシートを、その場で確認する
上段は分類を見せる板書、下段は要因から対策を考える用紙です。教師が発問とまとめのつながりを確認するのに使えます。紙面の全項目を一時間に詰め込む必要はありません。古い資料の個別の健康情報を、そのまま最新の医療助言にはしません。

画像を押すと拡大できます。印刷・配付は元の公式PDFを確認してください。
教師の授業準備に|保健の話合いの工夫
スポーツ庁の中学校向け「話合いの活動における工夫」です。コロナ禍の教師用資料として作られたもので、今回の単元専用の健康解説ではありません。発問に対して、生徒が考えを伝え合う場面づくりの参考にします。感染症対策の記述は現在の学校方針で確認してください。
公式の掲載元を確認する。標準プレーヤーで、自動再生や音源・映像の再アップロードはしません。事前に教師が内容と使用区間を確認し、再生できない場合は教科書・紙面・図解で進められるようにします。
50分授業の提案|問いから、理由のある選択へ
時間配分は一例です。動画の全編視聴を前提にせず、必要な部分だけを選び、考えを比べる時間を残します。
| 時間 | 生徒の活動 | 教師が見ること |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 黒板の棒人間を見て、健康に関係しそうなものを挙げる。 | 実際の病歴を発表させず、理由を聞く。 |
| 5〜15分 | 人の周りに絵と矢印を足し、カードを理由付きで置く。 | 迷うカードは理由を残し、結論を急がない。 |
| 15〜25分 | 教科書で主体・環境と関わりを確認する。 | 主体は生活習慣だけではないと押さえる。 |
| 25〜35分 | 別の架空の場面で要因を整理する。 | 症状から病名を当てる活動にはしない。 |
| 35〜45分 | 本人の工夫と、周囲の支援を考える。 | 対策を選んだ理由を学習内容へ戻す。 |
| 45〜50分 | 分類と対策を短文でまとめる。 | 用語だけでなく、関わりを説明できたか。 |
体育.netの授業提案で、公式資料の展開例をそのまま転載した時間割ではありません。文科省の令和2年手引では、健康の成り立ち・生活習慣を4時間の例として掲載しています。上の出版社例の5項目と同じ区切りではありません。
振り返りは、三つの短い問いで
□ 主体と環境の例を一つずつ挙げ、違いを説明できる?
□ 一つの要因だけで発病を決め付けていない?
□ 本人の工夫と周囲の支援を、理由付きで提案できる?
ノートには「選んだ工夫/根拠/必要な条件」を一つずつ残します。教師は、生活の良し悪しではなく、学んだ知識を使って理由を説明したかを見取ります。これは授業中の見取りの提案で、3項目だけで評定を決めるものではありません。
指導上の配慮|生活や家庭を採点しない
病歴・障害・体質・家族の健康状態をクラスで開示させません。生徒自身の病気を「生活が悪かった結果」と説明しないことも大切です。授業で扱うのは要因の関わりであり、個別の診断や責任の追及ではありません。不調の相談は全体発表と分け、養護教諭等につなぎます。
この記事は授業準備の案内です。疾病の診断、個別の運動・栄養・治療の指示を行うものではありません。
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参考資料
- 文部科学省・中学校学習指導要領解説 保健体育編:令和6年12月一部改訂、保健分野の学習内容。
- 文部科学省・改訂「生きる力」を育む中学校保健教育の手引:令和2年3月、冊子p.22〜27の展開例・評価の視点。
- 東京書籍・令和7年度版1年指導計画/大修館書店・教科書の構成と内容:学年・単元の位置を確認。
- 文科省・保健教育参考資料の入口:資料の対象と種類を確認。
資料確認:2026年11月2日。公式紙面・動画と、体育.net独自の図解・授業提案を区別しています。採択教科書、学校の年間計画、個別の健康状態に合わせて調整してください。
