中2/保健/傷害の防止/5 自然災害による危険
- 地震・津波・大雨と用語を並べるだけになりがち。
- 地震が止まれば危険も終わると思っている。
同じ揺れでも、教室・海辺・斜面のそばでは、その後の危険が変わります。
棒人間や身近な物を描き、絵を指して問い、教科書の言葉で確かめる授業案です。板書は完成図を写すだけでなく、生徒の考えを描き足して使います。
筆者の実践を記した部分と、資料に基づく授業提案を分けて紹介します。台詞・架空条件・時間配分は再構成した例で、文科省・出版社の指定授業案ではありません。
授業提案
揺れが止まったら、帰っていい?
黒板の人は同じまま、背景だけ「教室」「海辺」「斜面のそば」へ変えます。先生が「もう揺れていないから安心?」と聞くたび、次の危険が変わることに気付かせます。
人は同じ、揺れも止まった。なのに、次に考えることはなぜ違う?
生徒が動く場面へ
三つの場所の絵に危険を一つずつ足し、情報や行動を考える。地震と大雨を同じ行動で処理せず、災害ごとの条件を確かめます。
知識へ戻す:「災害が起きた」だけでなく、場所と時間の経過から説明する。
先生自身の話を入れるなら・配慮
避難訓練で先生が迷った点などは紹介できますが、被災体験を話すことは求めません。音や映像への配慮を先に準備します。
中2保健の全体像|今は「自然災害による危険」
東京書籍・令和7年度版2年の公開指導計画を例にした位置の案内です。全国共通の順序・実施月ではなく、出版社や学校で区切りが異なります。体育理論はこの一覧に含めていません。
傷害の防止|8つの項目
- 1 傷害の発生要因
- 2 交通事故の発生要因
- 3 交通事故の危険予測と回避
- 4 犯罪被害の防止
- 5 自然災害による危険〈今ここ〉
- 6 自然災害による傷害の防止
- 7 応急手当の意義と方法
- 8 心肺蘇生法とAED
もう一つのまとまり|健康な生活と疾病の予防②
- 1 生活習慣病の起こり方
- 2 生活習慣病の予防
- 3 がんとその予防
- 4 喫煙の害と健康
- 5 飲酒の害と健康
- 6 薬物乱用の害と健康
- 7 薬物乱用の社会的な影響
- 8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処
教科書のどこで使う?
| 出版社・令和7年度版〜 | 公開計画・構成表での関連位置 |
|---|---|
| 東京書籍 新編 新しい保健体育 | 2年・保健編3章(5)p.76〜77 |
| 大修館書店 最新 中学校保健体育 | 2年・保健④(4)自然災害によるけがの防止 p.110〜111 の前半に関連 |
東京書籍|令和7年度版・2年の年間指導計画/大修館書店|令和7年度〜・教科書の構成と内容で確認。教科書本文の全頁を閲覧したものではありません。名称・順序・配当時間は採択版と学校の年間計画を優先してください。
中心の問い|地震の揺れが収まった。危険はもうなくなったと言えるだろうか。
棒人間を描き、周囲へ棚・海・斜面を一つずつ足します。「この場所なら、次に何が起こり得る?」。地震という言葉を、具体的な場所の危険へつなげます。
自然災害の傷害は、その時の揺れや物の落下だけでなく、津波・火災・土砂崩れなどの二次災害でも起こります。災害名だけで行動を一つに固定しません。
地域の地形や建物、学校の危機管理マニュアル、自治体のハザードマップを照らします。「地図で色がない=絶対安全」とは扱わず、地図の想定や対象を確かめます。
内容の範囲:現行解説・冊子p.219〜222。発問・架空の条件・板書構成は体育.netの提案です。
- 真ん中に人、周囲に棚と落下しそうな物を描く。
- 右に海や斜面の別の場面を足し「揺れの後は?」と聞く。
- 矢印で時間の経過を示し、教科書の二次災害という言葉を加える。
体育.net作成の板書例。人・物・矢印を簡略化した概念図で、医学的な構造図や実際の地図、処置の手順図ではありません。描くことが難しい場合は、印刷して指し示す方法でも使えます。
使う紙面が分かる|公式資料のプレビュー

実際の記入前に、危険・避難先・移動・開始条件の順を確かめます。授業では架空条件を用い、自宅住所や家庭事情は発表させません。
参考動画|気象庁|大雨の時にどう逃げる・災害リスク編
地震の例と比較する、大雨・土砂災害の補助教材です。教材ページは2026年5月の新しい防災気象情報に対応と表示。授業地域のハザードマップと現行の情報名を、使用直前に確かめます。
公式の掲載元は末尾の参考資料に記載。教師が事前に内容と使う場面を確かめ、必要な場面で止めて問い直します。全編再生確認や将来の再生を保証するものではありません。再生できない場合も、教科書と図解で進められます。
「知っている」を、条件に合わせて使う
揺れが収まり、海沿いの通学路から家へ帰ろうとしている。
揺れていないので、そのまま海沿いを歩く。
追加で分かったこと
地震の後には津波など、別の危険が続く場合がある。
学校・地域の避難計画と公的情報に沿い、その場の安全を確保する。
理由を一言で
目の前の揺れの有無だけでなく、場所と続いて起こる危険を考えている。
正解の言葉を当てるだけで終わらせず、図の一か所を指して理由を説明できるようにします。話しにくい場合は、矢印や短い文をノートへ足す方法で構いません。
そのまま組み替えられる50分の授業例
| 時間 | 活動 | 教師の働き掛け・見取ること |
|---|---|---|
| 5分 | 実感のある問いから入る | 人は同じ、揺れも止まった。なのに、次に考えることはなぜ違う? |
| 8分 | 教科書の言葉で確かめる | 最初の問いを、教科書のどの知識で考えられるかを確かめる。 |
| 10分 | 資料で見方を増やす | 事前に選んだ映像の場面・紙面を提示し、気付きを一つ図へ足す。 |
| 15分 | 架空の条件で使ってみる | 三つの場所の絵に危険を一つずつ足し、情報や行動を考える。地震と大雨を同じ行動で処理せず、災害ごとの条件を確かめます。 |
| 8分 | 理由を伝え、見直す | 「災害が起きた」だけでなく、場所と時間の経過から説明する。 |
| 4分 | 振り返り | 災害発生時とその後の危険を区別し、場所に応じた備えを説明できる。 |
配当時間や既習内容に合わせて調整します。読む・描く・話すのいずれでも考えを示せるようにし、ノートの絵の上手さや家庭事情で評価しません。
ノートに残すのは、絵・理由・次の一手
□ 絵のどこが、教科書の説明とつながるか。
□ 架空の場面に合う案と、その理由は何か。
□ 自分だけでは難しいとき、どんな支援を使えるか。
この時間で見取りたい姿
災害発生時とその後の危険を区別し、場所に応じた備えを説明できる。
最初の答えと、資料を見た後の答えを並べ、何が加わったかを短く書きます。絵の巧さ、発言回数、実生活が理想に近いかを点数化するのではありません。
安心して学べる準備と配慮
被災映像や音は事前に確認し、被災経験の共有を求めません。海や増水河川へ観察に行かせないでください。避難先は災害の種類・地域で異なり、この図は実際の避難指示ではありません。
授業の前に養護教諭や関係する教職員と配慮・相談経路を確認し、個別の病状や家庭の事情は全体で共有させません。授業参加が難しい生徒には、別の架空事例や観察課題などの選択肢を準備します。
参考資料と確認範囲
資料の掲載・構成・リンクを2026年11月4日に確認。動画は公式掲載元との対応を確認していますが、全編の再生・字幕の照合や、全端末での再生確認を済ませたという意味ではありません。最新の制度・指針・学校の方針は使用前に再確認してください。