中2/保健/傷害の防止/7 応急手当の意義と方法
- 包帯の巻き方だけを覚えさせて終わる。
- 何を先に判断するのか、教師も整理しにくい。
けがをした人と、助ける人。二人を安全にするところから、応急手当を考えます。
棒人間や身近な物を描き、絵を指して問い、教科書の言葉で確かめる授業案です。板書は完成図を写すだけでなく、生徒の考えを描き足して使います。
筆者の実践を記した部分と、資料に基づく授業提案を分けて紹介します。台詞・架空条件・時間配分は再構成した例で、文科省・出版社の指定授業案ではありません。
授業提案
「先生、けが人です!」その次に、何を伝える?
先生が助けを求める声だけを演じます。「どこ?」「何が起きた?」「今どうなっている?」。包帯を巻く前にも、命や健康につながる行動があると気付かせます。
先生を呼べたのは大事。では、その一言に何を足すと、早く動けるかな?
生徒が動く場面へ
架空の場所と状況のカードを使い、連絡役が短く説明、聞く役が必要なことを確認する。その後、指導者の示範と模擬教材による手当へ進みます。
知識へ戻す:「どこ・何が・今の様子」と、安全を守りながら助けを呼ぶ行動を確かめる。
先生自身の話を入れるなら・配慮
実際の生徒のけがを再現せず、出血の画像を突然出しません。心肺蘇生の全手順は、次の単元の実習で扱います。
中2保健の全体像|今は「応急手当の意義と方法」
東京書籍・令和7年度版2年の公開指導計画を例にした位置の案内です。全国共通の順序・実施月ではなく、出版社や学校で区切りが異なります。体育理論はこの一覧に含めていません。
傷害の防止|8つの項目
- 1 傷害の発生要因
- 2 交通事故の発生要因
- 3 交通事故の危険予測と回避
- 4 犯罪被害の防止
- 5 自然災害による危険
- 6 自然災害による傷害の防止
- 7 応急手当の意義と方法〈今ここ〉
- 8 心肺蘇生法とAED
もう一つのまとまり|健康な生活と疾病の予防②
- 1 生活習慣病の起こり方
- 2 生活習慣病の予防
- 3 がんとその予防
- 4 喫煙の害と健康
- 5 飲酒の害と健康
- 6 薬物乱用の害と健康
- 7 薬物乱用の社会的な影響
- 8 喫煙・飲酒・薬物乱用への対処
教科書のどこで使う?
| 出版社・令和7年度版〜 | 公開計画・構成表での関連位置 |
|---|---|
| 東京書籍 新編 新しい保健体育 | 2年・保健編3章(7)p.82〜83。実習資料p.180〜183も参照 |
| 大修館書店 最新 中学校保健体育 | 2年・保健④(5)p.112〜113、(8)止血法・包帯法・固定法 p.118〜119 に関連 |
東京書籍|令和7年度版・2年の年間指導計画/大修館書店|令和7年度〜・教科書の構成と内容で確認。教科書本文の全頁を閲覧したものではありません。名称・順序・配当時間は採択版と学校の年間計画を優先してください。
中心の問い|目の前で人がけがをした。すぐ触る前に、何を確かめ、誰へ知らせるだろう。
座っている人と、離れた場所にいる助ける人を描きます。そばに割れ物を足し「まず近づいてよい?」。安全・状況の把握・連絡を、手当と一緒に整理します。
応急手当は傷害の悪化を防ぎ、救命につなぐためのものです。状況を確かめること、助けを呼ぶこと、状態に応じて手当することが関わります。
止血・保護・固定の実習は、養護教諭や消防等と準備し、正しい教材と指導で行います。授業記事の図だけで、骨折や重い出血の処置を自己判断させるものではありません。
内容の範囲:現行解説・冊子p.219〜222。発問・架空の条件・板書構成は体育.netの提案です。
- 傷病者と助ける人を別々に描く。
- 周囲の危険を描いて、助ける側の安全も必要だと確かめる。
- 大人・連絡手段・清潔な手当用品を足し、役割を分ける。
体育.net作成の板書例。人・物・矢印を簡略化した概念図で、医学的な構造図や実際の地図、処置の手順図ではありません。描くことが難しい場合は、印刷して指し示す方法でも使えます。
参考動画|消防庁|応急手当とは
応急手当の目的をつかむ導入です。消防庁の公開講習動画の掲載を確認。細かな実施方法は使用時点の指導内容で確認し、動画を見るだけで実習や救命講習の修了の代わりにはしません。
公式の掲載元は末尾の参考資料に記載。教師が事前に内容と使う場面を確かめ、必要な場面で止めて問い直します。全編再生確認や将来の再生を保証するものではありません。再生できない場合も、教科書と図解で進められます。
「知っている」を、条件に合わせて使う
校内で生徒がけがをして出血している、という架空の場面。
友達全員で取り囲んで傷に触ろうとする。
追加で分かったこと
危険物や血液への接触に注意が必要で、連絡が遅れる可能性もある。
教員へ速やかに知らせ、周囲の安全を確保し、指導を受けて役割を分担する。
理由を一言で
処置だけでなく、安全と連絡によって悪化を防ぐ視点がある。
正解の言葉を当てるだけで終わらせず、図の一か所を指して理由を説明できるようにします。話しにくい場合は、矢印や短い文をノートへ足す方法で構いません。
実習を含む50分の授業例
| 時間 | 活動 | 教師の働き掛け・見取ること |
|---|---|---|
| 5分 | 絵と問い | 役割と安全の必要性を予想する。 |
| 8分 | 教科書で確認 | 応急手当は傷害の悪化を防ぎ、救命につなぐためのものです。状況を確かめること、助けを呼ぶこと、状態に応じて手当することが関わります。 |
| 7分 | 示範・映像 | 指導者が実習用具と手順、安全確認を示す。 |
| 20分 | 訓練用具で実習 | 連絡内容を紙上で整理した後、指導者の示範に合わせ、清潔な模擬教材で直接圧迫・患部の保護等を練習する。実際の出血は使わない。 |
| 6分 | 観察とやり直し | 教わったポイントを一つ確かめ、役割を交代する。 |
| 4分 | 振り返り | 安全と連絡の必要性を説明し、指導された模擬場面で適切に行動できる。 |
50分は一例です。台数や人数に応じて複数時間へ分け、実際に試す時間と安全確認を確保してください。特に心肺蘇生の流れと技能実習は、別時間として扱う教科書もあります。用具・指導者が揃わない日は導入・確認までにとどめ、実習完了とはしません。
ノートに残すのは、絵・理由・次の一手
□ 絵のどこが、教科書の説明とつながるか。
□ 架空の場面に合う案と、その理由は何か。
□ 自分だけでは難しいとき、どんな支援を使えるか。
この時間で見取りたい姿
安全と連絡の必要性を説明し、指導された模擬場面で適切に行動できる。
最初の答えと、資料を見た後の答えを並べ、何が加わったかを短く書きます。絵の巧さ、発言回数、実生活が理想に近いかを点数化するのではありません。
安心して学べる準備と配慮
実際に出血させたり、生徒同士の首や関節を強く締めたりしません。実習用の手袋・模擬教材・衛生管理を準備し、傷病者の移動が必要かなどは指導者の判断に従います。この記事は医療判断の代わりではありません。
授業の前に養護教諭や関係する教職員と配慮・相談経路を確認し、個別の病状や家庭の事情は全体で共有させません。授業参加が難しい生徒には、別の架空事例や観察課題などの選択肢を準備します。
参考資料と確認範囲
資料の掲載・構成・リンクを2026年11月4日に確認。動画は公式掲載元との対応を確認していますが、全編の再生・字幕の照合や、全端末での再生確認を済ませたという意味ではありません。最新の制度・指針・学校の方針は使用前に再確認してください。