小3・4年生の跳び箱運動は、ただ高い段を跳び越す時間ではありません。自分に合う高さと場を選び、踏み切る・手を着く・着地するという動きを、安全に繰り返し確かめる時間です。
結論から言うと
「両足で踏み切る → 両手を着く → 脚を開く → 着地する」を、低い場から同じ言葉で確認します。
開脚跳びが難しい子には、跳び箱の段数を下げたり、手を着きやすい高さにしたりして、「踏み切り・着手・着地」を分けずに味わえる場を用意します。
この記事でわかること
- 中学年の跳び箱運動でそろえたい開脚跳びの動き
- 45分で回る授業の流れと、低い場から始める場づくり
- そのまま授業で読める教材5点セット
- 試技の開始前に必ず確かめる安全の約束
授業でまず見せる公式資料
スポーツ庁の中学年「跳び箱運動」資料では、切り返し系の基本的な技として開脚跳び、回転系の基本的な技として台上前転が示されています。最初は切り返し系の技に取り組み、自己の能力に合う場を選ぶ流れです。

45分の授業の流れ
| 時間 | 活動 | 先生の声かけ |
|---|---|---|
| 5分 | 健康観察・器械器具・マットの安全確認 | 「跳ぶ前に、着地する場所と前の人を見よう」 |
| 8分 | 肩・手首・脚の準備運動、うさぎ跳び・かえるの足打ち | 「手でしっかり支える準備をしよう」 |
| 7分 | 低い場で、踏み切りから着地までを試す | 「両足で踏み切って、両手を着こう」 |
| 15分 | 3つの場から自分に合う場を選び、開脚跳びに挑戦する | 「今の自分が安心して挑戦できる場を選ぼう」 |
| 5分 | 友達のよい動きを見て伝える | 「踏み切り・手を着く・着地のよさを一つ見つけよう」 |
| 5分 | 振り返り・器具とマットの片付け | 「安全を確かめてから始められた?」 |
場は3つで十分
1. 低い跳び箱を横に使う場
低い段数から始め、両足で踏み切る・両手を着く・着地する流れを確かめます。着地側には十分な長さのマットを敷きます。
2. 手を着きやすい場
マットを数枚重ねた上に低い跳び箱を置くなど、手を着く位置を高くして跳び越えやすくします。苦手な子が開脚跳びの動きをつなげるための場です。
3. いつもの高さに挑戦する場
踏切り位置と着地位置に目印を置きます。高さを上げることだけを目標にせず、安定して踏み切り・着手・着地ができるかを確かめます。
授業で使える教材5点セット
1. 今日のめあてカード
今日のめあて
両足で踏み切って、両手を着き、脚を開いて着地しよう。
2. 場を選ぶカード
どの場から始める?
- 低い跳び箱で流れを確かめる
- 手を着きやすい場で練習する
- いつもの高さに挑戦する
できる・できないではなく、今日の自分に合う場を選びます。
3. 動きのポイントカード
開脚跳びの4つ
① 両足で踏み切る
② 両手を肩幅で着く
③ 脚を開いて体を前へ運ぶ
④ マットに両足で着地する
4. 友達を見るカード
友達のよさを一つ見つけよう
- 両足で踏み切れていた
- 両手をしっかり着けていた
- 着地のあとに止まれていた
5. 安全カード
跳ぶ前に確認
□ マットはずれていない
□ 前の人が着地してから始める
□ 跳び箱・踏切板の周りに危ない物がない
□ 先生やグループの合図で始める
安全の約束
- 器械・器具はグループで運び、設置後にマットのずれと跳び箱の安定を確かめます。
- 前の人が着地してから、次の人が助走を始めます。
- 試技の開始前に、友達との間隔・器具の位置・着地場所をグループで声に出して確認します。
- 高さを上げる前に、低い場で踏切り・着手・着地が安定しているかを確かめます。
待ち時間を減らして、挑戦回数を増やす
場を3つに分け、学習カードで「どの場に取り組むか」を決めると、順番待ちだけの時間を減らせます。場づくりの考え方は待ち時間を減らす体育授業の工夫、導入を短くする考え方は体育授業の導入アイデアも参考にしてください。
跳び箱運動の教材研究に役立つ本
跳び箱運動を含む器械運動の指導を、動画とともに確認したい方に向けた参考書です。
授業づくりを一緒に整理したい方へ
跳び箱運動の場づくり、安全確認、子どもの動きの見取りを一緒に整理したい方は、個別相談をご利用ください。
出典:スポーツ庁「小学校体育(運動領域)指導の手引 中学年・跳び箱運動」(確認日:2026年9月1日)