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【中学校バスケットボール】7割シュートからゲームをつくる授業|ゴール前で決めるための仲間の動き

バスケットボールの授業で、こんな悩みはありませんか?

  • 練習しても、ゲームでシュートが入らない
  • 得意な生徒ばかりが得点してしまう
  • 無理な遠投が多く、パスがつながらない

まずは「自分にも入った!」を全員に。
ゴール前の「7割シュート」から始め、ドリブル・パス・仲間の動きへつなぐ授業です。

この授業で目指すこと

① まずシュートが入る教師の実演を見て、7割シュートを繰り返す。
② 運ぶ・つなぐを覚えるドリブル、パス、3対1。学んだ技能はサーキットで復習。
③ ゲームで決める3対2・4対2から人数をそろえたゲームへ。ゴール前のチャンスをつくる。

最初に「7割シュート」を練習する

最初に教師が実際に打ちます。立つ場所、狙う場所、ボードからリングへ入る様子を、説明とセットで見せます。言葉だけで「入りやすい」と伝えるより、繰り返し決まるところを見せる方が、生徒も試したくなります。教師自身も授業前に、使用するゴールとボールで練習しておきます。

見るのは、立つ場所とボードの狙い

ゴール近くの約1m、斜め45度を目安に立ちます。狙うのは、バックボードの小さな四角のうち、自分が立っている側の縦線付近です。右から打つときは右の縦線、左からは左の縦線を目印にします。教師が当てる高さや強さも見せ、そのゴールで入る当て方を確かめます。

① 立つ位置(上から)45°打つ人ゴール近く・約1mを目安に② 狙う場所(正面から)右からなら、右の縦線付近を狙う
右側から打つ例。位置と狙いを示す模式図です。点は狙いの例で、正確な縮尺やボールの軌道を表したものではありません。左側は左右を反対にします。

ここで大切なのは、遠くまで投げることではなく、「この場所から、このあたりを狙う」という手がかりを持つことです。生徒の体格や経験に合わせて、無理なく届く位置で練習します。

「7割」は、この実践で用いた呼び方と練習目標です。誰でも必ず7割入るという意味ではなく、実際に打った結果を確かめながら目指します。

1本打ったら交代し、どんどん回す

ボールがあれば一人1個持ち、斜めのシュート位置に並びます。先頭が1本打ち、ボールを回収して列の外側から最後尾へ。次の人が打つ、という流れで回します。ボールが足りない場合は回収したボールを待っている人に渡します。

同じリングへ一斉に投げるのではありません。前の人が回収し、ゴール下と投球経路が空いたことを確認してから次の1本を打ちます。列が長い場合は使えるゴールへ分散し、待つ時間を減らします。

「今のはボードのどこに当たった?」「さっき入ったときと、立つ位置は同じ?」と、次の1本で試せる声かけにつなげます。

10本中何本入るかを確かめる

練習の後は、同じ条件で10本打ち、成功本数を記録します。時間に応じて5本でも構いません。シュート技能を確かめる一つの材料として使い、前回より何が変わったかも振り返ります。成功本数だけで単元全体の評価を決めるのではなく、動きやゲームでの技能も併せて見取ります。

「近くで打つ」「もう一度打つ」の意味も伝える

無理な遠投より、練習した近い場所で打つ機会をつくる。そして外れても、リバウンドを取ればもう一度攻められる。生徒には、入る可能性を考えてプレーを選ぶ視点も伝えます。

本数を増やすことと、1本ごとの成功率が上がることは別です。同じ成功率でも、打てる機会が増えれば得点のチャンスは増えます。だからこそ、無理に何本も投げるのではなく、良い位置で打つ機会を仲間と増やしていきます。

1本70%なら、2本のチャンスでどうなる?

少なくとも1本入る確率

1本なら 70%1 − 0.3
2本なら 91%1 − 0.3 × 0.3
3本なら 97.3%1 − 0.3 × 0.3 × 0.3

毎回の成功率が70%で、結果が互いに独立していると仮定した計算例です。「1本外れた後の次の1本」は70%のまま。実際のゲームでは距離・体勢・守備・疲労などによって変わります。

ボールを持っているだけでは得点できません。打てるチャンスには打つ。外れても、リバウンドからもう一度良いシュートを目指す。「2本とも外れるのは9%」と考えると、もう一度攻める意味も見えてきます。ただし、この計算は無理なシュートを何本も打つことの勧めではありません。

動画で見る バックボードを使うシュート

心はいつもバスケっ子「バスケットボールの基礎動画#4 バンクシュート」。ボードを使うシュートの参考動画です。本記事の「7割」の達成率を示す動画ではありません。

ドリブルとパスを覚え、サーキットで復習する

シュートから始めますが、ドリブルやパスを省くわけではありません。シュートできる場所へボールを運ぶための技能として、一つずつ練習します。

技能 最初の練習 見るポイント
ドリブル その場で左右の手 → ゆっくり進む → 相手を想定して守る 前を見る。相手から遠い側でつき、体を間に入れる。手で相手を押さない。
チェストパス 2人組で、胸からノーバウンドで届ける 相手が構えたことを見て、取りやすい場所へ送る。
バウンズパス 2人組で、1回床に弾ませて届ける 相手が取りやすい高さへ弾む場所と強さを確かめる。

▶ アルバルク東京公式動画:安藤誓哉選手が教えるドリブルの基本

▶ バスケットボール推進会:チェストパスの基本動作動画

パスのリンク先では、まず「チェストパスの基本動作解説」を確認してください。後半の実戦向け解説まで、初回にすべて扱う必要はありません。

授業の始めに 技能復習サーキット

① 7割シュート立つ位置とボードの狙いを確認。
② ドリブル左右の手と、ボールを守る位置を確認。
③ パスノーバウンドとバウンズを確認。

一度教えた技能は、短時間のサーキットで繰り返します。例えば各場所2分、合図で交代する形です。最初から全部を回すのではなく、学習済みの技能を加えていきます。ゴール数や人数に合わせて組数を調整し、移動経路とボールの飛ぶ方向が交差しない配置にします。

3対1で、パスをもらうために動く

対面のパスができたら、攻撃3人・守備1人のパスゲームへ。最初はドリブルなしで、チェストパスを中心につなぎます。守備が間に入ったら、受け手が左右・前後へ動いて、ボールを持つ仲間から見える場所をつくります。慣れたらバウンズパスも使います。

守備は短時間で交代します。止まったまま難しいパスを通そうとするより、「受け手が一歩動けば通る」を体験させます。教師は「守備の後ろに隠れていない?」「ボールを持っている人から見える?」と問いかけます。

隠れない守備と一直線に重ならない。
左右・前後へパスが通る場所へ動き直す。
出したらまた動く次の受け手になる準備をする。

3対2・4対2で「ゴール前で打てる状況」をつくる

シュート、ドリブル、パス、パスをもらう動きを学んだら、攻撃側の人数を多くした3対2・4対2に進みます。3対1で練習した動きを、今度はゴールのある場面で使います。

課題は「とにかくシュートする」ではなく、「ゴール前で、守備に妨げられずに打てる人をつくる」です。遠くからのシュートを一律に否定するのではなく、練習した場所で打てる機会を探します。

場面 生徒に考えさせること
ボールを持った 自分が打てるか。ゴールに近い仲間へパスできるか。
仲間がボールを持った 守備の後ろに隠れていないか。パスを受けられる場所へ動けるか。
ゴール前を守られている 同じ場所に集まらず、位置を変えたり、パスをつないだりできるか。
シュートまで進めた 誰の動きやパスで打てるようになったか。

守備がゴール下に集まったら、少し離れて打つ

当時の反省には、守備がゴール下で待つようになったことも残っています。近くで打つことが分かれば、その場所を守られる。そこで、ゴール下だけにこだわらず、少し離れた場所からのセットシュートも練習します。

いきなり遠い3ポイントシュートを目指すのではありません。無理なく届き、フォームを保って打てる距離で、「ここでノーマークなら打てる」という場所を増やします。近くで打てるなら近くで。ゴール下が混んでいれば、少し離れた空いている場所を使います。

① ゴール下に守備少し離れた、無理なく届く場所でパスを受ける。
② ノーマークなら打つ練習したセットシュートを選ぶ。
③ 守備が出てきたら空いたゴール前へ、仲間のカットインやパスを狙う。

「近くか遠くか」を固定するのではなく、守備を見て選ぶということです。守備が出てこなければ空いた場所で打つ。出てくれば、その後ろのスペースを使う。3対2で確かめた判断を、3対3や5対5でも試します。

実践では、パスした後にゴールへ動くカットインや、スクリーンも扱いました。ただし、最初からすべてを教える必要はありません。まずは「パスした後、その場に立ったままでよいか」「どこへ動けばもう一度もらえるか」を問いかけ、動きの意味を確かめます。スクリーンを取り入れる場合は、接触を伴うため、安全な実施方法と反則の説明を別途行います。

パスで前へ運び、速攻につなげる

ゴール前の攻防と並行して、守備が戻る前にパスでボールを運ぶ練習も行いました。メモには、守備を置かない2対0・3対0・5対0の速攻練習が残っています。

ボールを持たない生徒も前へ走り、パスを受けられる位置を取ります。ただ速く走るだけでなく、ボールの位置を見て、仲間がつなぎやすい場所を選びます。最後は急いで投げて終わるのではなく、最初に練習したゴール前のシュートにつなげます。

試合に出ていない時間にも役割をつくる

試合では、審判・記録・得点・計時などを生徒が担当しました。授業用のルール資料には、試合前の準備、試合の始め方、終了後の報告まで記載しています。

いきなり「審判をして」と任せるのではなく、笛を吹く場面、時計を動かす合図、記録する内容を先に確認します。プレーする時間だけでなく、ゲームを支える時間も授業の一部にします。

ゲームを見ている生徒には、例えば「ゴール前で打てた場面」を見つけてもらいます。得点した人だけでなく、その前のパスや、守備から離れる動きにも目を向けられます。

単元の流れ シュートからゲームへ

当時の実践を踏まえ、今行うなら次の順で進めます。各段階を必ず1時間ずつ行うという表ではありません。練習した技能はサーキットで復習し、ゲームでも使っていきます。

順番 主な活動 目指すこと
① シュート 教師の実演 → 7割シュート → 成功本数の確認 まず「自分にも入る」を味わう
② ドリブル・パス 左右のドリブル、チェストパス、バウンズパス ボールを運ぶ・守る・つなぐ
③ 3対1 ドリブルなしのパスゲーム パスをもらうために動く
④ 3対2・4対2 攻撃有利のゲーム、必要に応じた速攻練習 ゴール前でノーマークをつくる
⑤ 人数をそろえたゲーム 学習状況に応じて3対3や5対5。審判・記録も分担 練習した技能をゲームで選んで使う

授業づくりの参考動画 スポーツ庁

バスケットボールの授業における工夫①

バスケットボールの授業における工夫②

▶ スポーツ庁の動画一覧を開く:「中学校」→「球技」に「バスケットボールの授業における工夫①・②」があります。

感染症対策下に制作された教師用資料です。当時の対策を現在の必須事項として扱うのではなく、授業の活動例を参考にします。

「入る場所」が分かると、仲間の動きに意味が生まれる

この実践の出発点は、難しい技を増やすことではなく、ゴール前で決める手がかりを持つことでした。その場所へどう近づくか。誰にパスをするか。自分はどこへ動くか。7割シュートを、ゲームの中で仲間と考える課題につなげていきます。

授業で使える3つの確認カード

この記事内で無料で使える確認用の見本です。画面を見せたり、ノートへ書き写したりして使えます。

① シュートの記録同じ位置で__本中__本成功。
入ったときの狙い・強さ:__
次に試すこと:__
② 仲間の動き□ パスの後に動いた
□ 守備に隠れず受けた
□ 空いた場所で打てた
③ ゲームの振り返り打てる場面をつくった動き:__
次は誰がどこへ動く?:__

この種目を深める参考書

中学デビューシリーズ バスケットボール入門

田中英夫 著/ベースボール・マガジン社

中学生の基本技能を、写真や映像も使って確認したいときに。シュート・ドリブル・パス・ディフェンスを扱います。授業の単元計画集ではなく、初心者への技能指導の手がかりとして紹介します。

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