- 空振りが続き、ラリーになる前に終わってしまう。
- 経験者と初心者で、ゲームの楽しさに差がある。
- 打ち方は教えても、次の球に間に合わない。
まずは「つながった!」を、二人で味わうところから。短い距離で返し合い、少しずつ距離や動きを加えます。その先に、相手のいない場所をねらうゲームの面白さがあります。
打ち方・サービス・ダブルスを選べる動画一覧と、初回50分・8時間の単元例をまとめました。活動や時間配分は資料を参考にした授業提案で、筆者の実施記録ではありません。
活動・動画を選ぶ|今日の授業の入口
最初にそろえる|安全に振れる場所
隣のラケットが届かない間隔を確保し、拾うときは周りも止まります。別のコートへシャトルが入ったら声をかけ、プレーが止まってから回収します。
- 床の滑り、靴ひも、ラケットの破損を確認。コートの後ろ・横にも動ける余白を取ります。
- 支柱・ネットは教師の管理で設置し、転倒・接触を防ぐ位置や保護を確認します。
- 待つ人は打つ人の前後やスイング範囲に入らない。説明時はラケットを下ろします。
- 痛み・疲労・体調不良があれば中止して教師へ。後ろの球を無理な姿勢で追わせません。
- 狭い場所で人数だけ増やしてダブルスにしない。活動班と観察班を短時間で交代します。
ラリーの楽しさから入る|3つの活動例
いきなり全面コートで打ち合わず、「相手が返せる球を送る」ことを共通の目標にします。最初に握り方と安全な振り方を教師が示し、シャトルなしでも確かめます。
一人で下から軽く上げる。
落ちたら拾ってやり直す。
やさしい手投げを、下から返す。
打つ人と投げる人を交代。
短い距離で3打→5打。
続いたら距離を少し広げる。
距離・回数は記事用の目安です。「3打」は二人の打数を合計して数えます。手投げ役はラケットの届かない位置に立ち、相手が構えてから投げます。頭・顔をねらう返球や強打はしません。
| うまくいかない様子 | 戻り方・声かけ |
|---|---|
| 空振りが多い | 手投げの位置を安定させ、まず1回当てる。「打つ前にシャトルを見よう」。 |
| すぐ遠くへ飛ばす | 力を弱めて相手の近くへ。二人とも無理なく返せる距離にする。 |
| ネットにかかる | まずネットなしで往復を確かめ、次に余裕のある高さで越す。 |
| 経験者だけが楽しむ | 協力課題では経験者が返しやすい球を送る。対戦は近い経験同士でも行う。 |
動画一覧|必要な打ち方へすぐ移動
全部を一度に教える必要はありません。最初は握り方→アンダーハンド→サービス→オーバーヘッド・クリアーを中心に、課題に合う動画を選びます。名称を覚えるだけでなく、実際に返せるかを確かめます。
| 探したいこと | 動画へ |
|---|---|
| まず返す・上から打つ | アンダーハンド(フォア) / アンダーハンド(バック) / オーバーヘッド / ハイクリアー |
| サービスでラリーを始める | ロングハイサービス / ショートサービス(フォア) / ショートサービス(バック) |
| ネット前・体の横から返す | ヘアピン(フォア) / ヘアピン(バック) / サイドアーム(フォア) / サイドアーム(バック) |
| 慣れてきたら選ぶ発展の打ち方 | スマッシュ / プッシュ(フォア) / プッシュ(バック) / ハイバックハンド / ラウンドザヘッド |
| ダブルスの位置取り | サイドバイサイド / トップアンドバック / インアンドアウト |
以下の実技動画19本は学研学校教育ネット・中学体育実技(令和3年度版サイト)掲載。短い見本として活用し、教材の利用条件は掲載元でご確認ください。リンクが表示できない場合は各動画の「別画面で見る」から開けます。
まず返す・上から打つ
アンダーハンド(フォア)
学研・中学体育実技/下から返す動きを確認
アンダーハンド(バック)
学研・中学体育実技/反対側に来た球の返し方
オーバーヘッド
学研・中学体育実技/頭上の球を打つ動き
ハイクリアー
学研・中学体育実技/高く奥へ返すショット
サービスでラリーを始める
ロングハイサービス
学研・中学体育実技/高く奥へ送るサービス
ショートサービス(フォア)
学研・中学体育実技/短く送るサービス
ショートサービス(バック)
学研・中学体育実技/バック側で短く送るサービス
ネット前・体の横から返す
ヘアピン(フォア)
学研・中学体育実技/ネット前の返し方
ヘアピン(バック)
学研・中学体育実技/反対側のネット前
サイドアーム(フォア)
学研・中学体育実技/体の横から打つ動き
サイドアーム(バック)
学研・中学体育実技/反対側の横から打つ動き
慣れてきたら選ぶ発展の打ち方
ここは発展の引き出しです。強打や難しい打ち方を全員の必須課題にはせず、基本的な返球と安全が安定してから教師が選びます。
スマッシュ
学研・中学体育実技/上から打ち込むショット
プッシュ(フォア)
学研・中学体育実技/ネット前で押し込むショット
プッシュ(バック)
学研・中学体育実技/バック側からのプッシュ
ハイバックハンド
学研・中学体育実技/高い球をバック側で打つ
ラウンドザヘッド
学研・中学体育実技/頭の上を回り込む打ち方
ダブルスの位置取り
まずは声をかけて担当を決めることから。配置を丸暗記するのではなく、返した球と相手の位置に応じて動く様子を確認します。
サイドバイサイド
学研・中学体育実技/左右に分かれる配置
トップアンドバック
学研・中学体育実技/前後に分かれる配置
インアンドアウト
学研・中学体育実技/配置を切り替える動き
握り方・打った後の動きも確認
打つ瞬間だけでなく、構え直すまでを一組にします。戻る場所は毎回機械的に中央ではなく、相手や自分の返球に応じて考えます。
基本のグリップと打ち方
ベースボール・マガジン社の書籍関連動画
フットワーク
廣瀬栄理子氏の実演/書籍関連動画
出版社の動画一覧に掲載。専門選手の動きは見本として部分的に使い、同じ速さ・移動量を中学生全員に求めません。
「つなぐ」から「空いている場所をねらう」へ
| 段階 | 活動の提案 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 協力ラリー | 相手が返しやすい球を送り、二人で打数を数える。 | 相手の準備を見て返している? |
| 奥と手前を使う | 奥へ返す練習と、手前へ返す練習を分けて試す。 | 同じ強さだけでなく、距離を変えられる? |
| 簡易シングルス | 安全な余白を残してコートを狭め、2~3分で交代。 | 相手の位置を見て、ねらう場所を選べる? |
| ゲームを振り返る | 1ラリーを取り上げ、得点につながった場所を話す。 | 「強く打った」以外の理由を説明できる? |
例:ラリーごとに得点、5点先取または時間で交代。サービスは対角の決めた範囲へ下から打ち、初期の活動では失敗時に1回やり直せる約束を設けます。コート範囲・得点・サービスの扱いを始める前に共有し、慣れたら通常のゲームへ近づけます。
「とにかく勝つ」だけにせず、例えば相手を奥へ動かした後、手前をねらえたかを観察します。ネット前を練習する際も、相手の顔に向けて打ち込ませません。
教師の教材研究|スポーツ庁の授業の工夫
高等学校向けの参考資料です。中学校の実技動画とは区別し、課題や活動の組み立てを考えるために使います。
バドミントンの授業における工夫①
スポーツ庁/高等学校向け教師用資料
バドミントンの授業における工夫②
スポーツ庁/高等学校向け教師用資料
スポーツ庁の掲載ページ。感染症対策を背景に制作された動画です。当時の対策を現在の一律の基準とはせず、生徒の経験や授業環境に合わせて取り入れます。
初回50分|まず二人でつながるところまで
| 時間 | 活動 | 教師の支援 |
|---|---|---|
| 0~8分 | 健康観察・準備運動・安全確認 | 振れる範囲と停止・回収の約束を示す。 |
| 8~15分 | 握り方・下から当てる練習 | 見本を短く示し、一人1回の成功から。 |
| 15~25分 | 手投げを返す→交代 | 投げる位置を安定させ、強く打たせない。 |
| 25~38分 | 短い距離で協力ラリー | 3打、5打と小さな目標を選ぶ。 |
| 38~45分 | 下からのサービスを試す | 入れる場所を示し、ラリーの始め方につなぐ。 |
| 45~50分 | 整理運動・振り返り | 続いた理由を一言。用具を安全に片付ける。 |
8時間の単元例|見る→試す→ゲームで確かめる
1・2年の入門を想定した案です。年間計画や既習経験で時数を調整します。3年では球の配球やダブルスの連携など、状況に応じた選択へ広げます。
| 時 | 主な学習 | 確かめること |
|---|---|---|
| 1 | 握り方・安全・短い協力ラリー | 相手が返せる球を送れた? |
| 2 | サービス・下からの返球 | 自分たちでラリーを始められた? |
| 3 | オーバーヘッド・クリアー | 余裕をもって奥へ返せた? |
| 4 | 手前の返球・動いて構え直す | 前後の球に対応する準備は? |
| 5 | 奥と手前を使う簡易ゲーム | 相手のいない場所を見た? |
| 6 | 課題別練習→再びゲーム | 選んだ練習で何が変わった? |
| 7 | シングルス/条件が整えばダブルス | 自分の配球・仲間との分担は? |
| 8 | 交流ゲーム・学習のまとめ | できるようになった動きと工夫は? |
そのまま見せられる|3つの確認カード
□ 相手が構えている
□ 返しやすい球を送る
続いた理由は__。
□ 打った後に構える
□ 相手とシャトルを見る
戻る場所は__。
□ 奥・手前を使う
□ 空いている場所を見る
次に試すことは__。
助言は「もっと頑張って」ではなく、「打った後に止まっていたから、次は構え直そう」のように一つに絞ります。撮影する場合は学校の方針と本人の同意を確認し、観察する点を決めて短く見返します。
評価は勝敗や連続回数だけで決めません。返球や位置取りの技能、課題を選んだ理由と助言、安全・協力への取組を、練習中の観察と振り返りから見取ります。
教材研究に役立つ参考書
廣瀬栄理子『みんなうまくなる バドミントン基本と練習』(ベースボール・マガジン社、2020年)。グリップ・各ショット・フットワークを調べたいときの参考書です。著者の実演動画も公開されています。
学校の単元計画そのものではなく、技術と練習の引き出しとして。版・在庫・購入条件はリンク先でご確認ください。
書籍ライブラリーの「球技・ボール運動」から、バドミントンやほかのネット型教材の本を比較できます。
次の授業準備に|編集できる実践教材
中学校の柔道・バレーボール・ダンスでは、授業に合わせて使える教材を用意しています。授業の進め方と収録内容は、各ページで確認できます。
参考資料・動画の掲載元
- 学研学校教育ネット・中学体育実技:バドミントン
- スポーツ庁・教師用指導資料(高等学校:バドミントン)
- ベースボール・マガジン社/廣瀬栄理子氏の実演動画一覧
- 参考書の出版社情報
- 文部科学省・保健体育科のICT活用事例(中2バドミントンを含む)
資料・リンク確認:2026年9月15日。動画は掲載元のプレーヤーを使用しており、転載・ダウンロード用の教材ではありません。


